美人局

美人局（つつもたせ）

美人局、または奸囮（つつもたせ、英語: badger game）は、男女が共謀して実行する恐喝や詐欺の一形態です。この行為は、特に異性を利用して金銭や物品を奪う手口とされ、最近では特にSNSやマッチングアプリを利用した事例が目立っています。

仕組みと手口

美人局は一般的に、妻が男性を誘い込んで性行為を行うという形で進行します。その際、隠れていた夫が現れ、金銭を脅し取るのです。このような構図は、夫婦関係にない男女の場合でも見られます。現代のデジタル社会では、リアルな出会いよりもオンラインでの出会いが多く、ここに新たな手口が生まれています。たとえば、SNSで未成年の女性になりすますケースで、相手を援助交際名目で呼び寄せ、「未成年との性行為は犯罪」と脅して金品を奪う手法があります。

実際に、2024年3月には京都市で中学生がSNSを使って男子大学生を誘い、恐喝したという事件が発生しました。このような事例から、美人局と呼ばれる犯罪がどのように進化しているかが伺えます。

語源

「美人局」という言葉は、中国の文献にも登場し、古くは娼婦を用いて他者を欺く詐欺行為を指していました。日本語の「つつもたせ」とは異なる語源を持つ言葉ですが、現在では同じ意味を持つことがあります。「つつもたせ」という名称は、大和言葉の「筒持たせ」に由来し、もともとは詐欺やいんちきといった意味で使用されていました。これは、仕掛けのあるサイコロを使った賭博行為から派生したと考えられています。

歴史

美人局の歴史は古く、文化的タブーとして扱われてきた姦通や不貞に伴う罰則は、御成敗式目に類似する規定が見られます。武家社会では特に恐れられ、ハニートラップとして知られていました。このような背景を持つ美人局は、近代になるとSNSやマッチングアプリを通じて新たな形を取り、現代社会において問題となっています。

現代の状況

2023年の法改正で「不同意性交罪」が新設されたものの、密室での性行為は基本的に証明が難しいため、法律が美人局や示談金ビジネスの温床になるとの指摘もあります。実際、SNS経由で関わった女性から誘われた後、仲間の男性による恐喝が行われるケースが増加しています。これにより、被害者が危険な目に遭う事が多くなり、名を貸した女性が脅迫に巻き込まれる場合もあるのです。

事例

2024年3月、大阪での事件では、中学生が知り合った大学生に対して「ホテル代だけ持ってきて」と誘い、暴力を振るって金品を要求しました。この際、逃げようとした大学生はビルから転落し、死亡するという悲惨な結果を迎えました。大阪府警は事件を受けて、関与した少年を逮捕するに至っています。このように、美人局から派生する危険は非常に深刻であり、今後ますます対策が求められる状況です。

まとめ

美人局は、異性を利用した恐喝や詐欺の手口として、過去から現在にわたって存在し続けています。特にデジタル社会においては、その手口が多様化し、新たな危険が増していると言えるでしょう。注意が必要です。

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