群馬県立館林美術館

群馬県立館林美術館：自然と人間を繋ぐ芸術の空間

群馬県館林市日向町、多々良沼のほとりに位置する群馬県立館林美術館（GMAT）は、2001年10月26日に開館した、自然と人間との関わりをテーマとする美術館です。県内では高崎市の群馬県立近代美術館に次ぐ2館目として誕生しました。

美術館の建築は、第一工房（代表：高橋靗一）による設計で、水田跡地に建設され、芝生の広大な敷地を囲むように配置されています。その洗練されたデザインは、2004年に第17回村野藤吾賞を受賞するなど高く評価されています。館内は彫刻やインスタレーションを中心とした近代美術と現代美術のコレクションが充実しており、来館者は現代美術のダイナミズムと自然の調和を体感できます。

特に注目すべきは、別館に再現されたフランスの彫刻家フランソワ・ポンポンのアトリエです。当時の写真をもとに忠実に再現された空間は、ポンポンの創作活動に迫る貴重な機会を提供しています。ポンポンは、美術館のテーマである「自然と人間」の探求において重要な作家と位置付けられ、多くの作品が館内に収蔵されています。しかし、収集された作品の中には、ポンポンの遺言に反する死後鋳造された作品が含まれていたことが判明し、現在では遺言を尊重し、展示方法に配慮が払われています。

美術館周辺には、「彫刻の小径」と呼ばれる散策路が整備されており、多々良沼公園の生活環境保全林に沿って、多くの彫刻作品が点在しています。散策しながら自然とアートを同時に楽しめる、魅力的な空間となっています。開館時間は9時30分から17時まで（入館は16時30分まで）、休館日は毎週月曜日（祝日の場合は翌日）、年末年始、および特別整理期間などです。入館料は、開催中の展覧会によって異なりますので、公式ウェブサイトでご確認ください。

アクセスは、館林駅から広域公共路線バス多々良巡回線に乗車し、「県立館林美術館前」停留所で下車するか、多々良駅から徒歩20分です。周辺には、高根グラウンド、館林自動車教習所、館林市立第八小学校、館林市立多々良中学校、多々良沼、ビバホーム館林店などがあります。

館林美術館は、単なる美術品の展示施設にとどまらず、自然と人間の共生、そして芸術と社会の繋がりを体感できる場所です。多様な芸術作品を通して、来館者の感性を刺激し、創造性を育む役割を担っています。自然豊かな環境の中で、現代美術と歴史的文脈を融合させた独自の空間をぜひ訪れてみてください。

沿革

1988年5月2日：館林市文化協会より美術館建設の請願書提出
1993年10月13日：新県立美術館基本構想検討委員会設置
1999年3月10日：工事着工
2000年12月1日：美術館完成
2001年10月26日：開館

関連情報

群馬県立近代美術館
* 多々良沼公園

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