義親

義親とは

義親（ぎしん）とは、生物学的な親である実親（じっしん）とは異なり、社会的および法律上の親を指します。具体的には、配偶者の親や養親、さらには実親でない親の配偶者（継親）などがこれに含まれます。一般的には「義理の親」や「法律上の親」とも称されることが多いです。

実親との違い

義親の概念は、実親との対比から理解されます。実親は生物学上の親を指しますが、家族制度や社会の影響を受けて、必ずしも生物学的な関係があるとは限りません。例えば、嫡出子であれば、実親とは生物的な親子関係を持つことになりますが、非嫡出子の場合は異なる扱いを受けることがあります。

日本の民法では、婚姻中の女性が妊娠した場合、夫の子と推定されることが規定されています。この嫡出推定は生物的な証明を必要とせず、年数や関係にかかわらず認められます。

義親の種類と呼称

義親には様々なタイプがあります。以下にその種類を示します。

1. 配偶者の親:
- 義父（ぎふ）: 配偶者の父。舅（しゅうと）や岳父（がくふ）とも呼ばれます。
- 義母（ぎぼ）: 配偶者の母。姑（しゅうとめ）、丈母（じょうぼ）、岳母（がくぼ）などの呼び名があります。

2. 養親:
- 養父（ようふ）、養母（ようぼ）という表現が使われ、養子縁組をした場合の養親にあたります。

3. 親の配偶者:
- 例えば再婚相手の場合、この種の義親は継父（けいふ）や継母（けいぼ）と呼ばれることもあります。

いずれの場合においても、義親は対象者よりも年齢が上であることが多いですが、必ずしもそうとは限りません。

様々な法律関係

養子縁組に関連する法的な規定もおおきな役割を果たしています。養子縁組を行うと、養親と養子との間は血族関係が擬制されます。ただし、実親との関係は解消されないため、養子は両親からの相続を受けることができる場合もあります。特別養子縁組は、実親との関係が解消され、養親からのみ相続権を得ることになります。

継子と連れ子

新たな結婚に伴って、配偶者が持ち込む子を継子（けいこ）や連れ子（つれご）と呼ぶことがあります。子が未成年であれば、継子や連れ子は義親から養育されることが一般的です。しかし、法的には連れ子同士は親族ではなく、婚姻の解消や養子縁組がない限り、相互の親族関係は発生しません。

結論

義親についての理解は、現代の家族関係を考えるうえで重要です。生物学的な親子関係とは異なる多様な関係を理解し、それに基づいた法律や制度を適切に活用することが求められます。義親の範囲や呼称、法的な定義について知ることは、家族のダイナミクスや相続問題を含む様々な社会的課題に対処するための基盤となります。

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