臍ヘルニア

臍ヘルニア（さいヘルニア）とは

臍ヘルニアは、いわゆる「でべそ」として知られる病状の一つです。この疾患は主に新生児に発生し、特に赤ちゃんの臍周辺に見られることが一般的です。臍ヘルニアは、臍輪が正常に閉じないことから発生します。この状態では腹腔内の内容物が腹壁を越えて突出することがありますが、大多数の場合、新生児期を過ぎると自然に好転します。

概要

新生児における臍ヘルニアは、時折、かなりサイズが大きくなることがありますが、通常は5歳頃にかけて自然に閉じることが多いです。これは、赤ちゃんの腹部器官が成長し、腹壁がしっかりと成形されるからです。また、内臓が臍部から突出することはまれであり、新生児の腹壁が補強されているため、臍ヘルニアが発生しても、重大な合併症に至ることは少ないです。

臍帯が腹腔内から外部に出る場所は「臍輪」と呼ばれ、ここには繊維が輪の形で形成されています。この構造が健全であれば、腹腔内の内容物が外に出ることは防がれます。ただし、臍が逆に突出している状態、つまり「臍突出症」と呼ばれる状態が現れることもあります。この場合、臍輪が閉じている場合や開いている場合によって、異なる症状が認められます。特に臍輪が開いている場合、内蔵が腹膜に包まれたまま外へ脱出しています。

処理方法

通常、臍ヘルニアが見られる場合、大きさが1〜2cmであれば、大部分（約90%）は3歳のうちに自然と閉じることが期待されています。また、85%のケースでは初期状態の臍ヘルニアが自然に縮小し、無症状のまま経過することが知られています。そのため、このような場合には手術の必要はほとんどありません。ただし、症状が進行する場合や状態が悪化した場合には、手術が推奨されます。

一部の地域では、臍にコインを貼ったり、絆創膏を使用することでヘルニアの改善を図ることがありますが、これは腸の血流を妨げたり、皮膚に負担をかけたりするため、医学的にはあまり推奨されていません。手術を行う場合、臍突出症では、突出した部分を切開し、周囲の瘢痕組織を除去し、適切な位置に固定します。臍ヘルニアの場合も同様に、突出した部分を整え、内蔵を正しい位置に戻す処置が必要です。

大人の臍ヘルニア

成長した後の臍ヘルニアは、特に妊婦に多く見られます。この場合、腹部にかかる圧力や筋肉の変化などが原因で起こります。また、臍の緒の切り方が原因とされることがありますが、これは明確な根拠がない俗説です。自然に臍の緒を落とすことで、幼児のうちに臍ヘルニアを予防できるという意見もありますが、これも医学的には裏付けが不足しています。

臍ヘルニアは、時折、複雑な理論や学説のもとに説明されることがありますが、基本的にはその構造と成長の過程で理解されています。

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