舞原賢三

舞原 賢三（まいはら けんぞう）

1961年9月16日生まれ、東京都出身の映像作家。主に映画やテレビドラマの監督、演出家として知られる。現在は日本映画監督協会に所属している。東京写真専門学校（現・東京ビジュアルアーツ・アカデミー）で映像制作の基礎を学び、卒業後は映画監督の鈴木則文氏に師事。助監督としてキャリアをスタートさせ、この時期は「舞原賢二」名義で活動していたこともあった。『NIGHT HEAD』をはじめとする数多くの作品の現場で経験を積み、映像表現の技術や演出手法を磨いた。

監督としての第一歩を踏み出したのは1993年。テレビドラマ『MAESTRO』で初めてメガホンを取った。監督キャリアの初期においては、フリーランスの立場で共同テレビジョン制作の作品に多く携わった。また、独特の世界観を持つ飯田譲治氏の作品にも、演出補という立場で深く関与している。この頃手掛けた作品には、心霊現象や都市伝説をテーマにしたオムニバス形式のドラマシリーズ『木曜の怪談』や、近未来を舞台にしたSFサスペンス『アナザヘヴン〜eclipse〜』などがあり、視聴者に強い印象を与えた。

2000年代に入ると、舞原氏の活動の中心は大きく広がり、特に子供向け・ファミリー向けのエンターテインメント作品、中でも東映が制作する特撮シリーズへの参加が顕著となる。2001年放送開始の『百獣戦隊ガオレンジャー』を皮切りに、『忍風戦隊ハリケンジャー』『特命戦隊ゴーバスターズ』といったスーパー戦隊シリーズ、そして『仮面ライダー電王』『仮面ライダーキバ』『仮面ライダーオーズ/OOO』『仮面ライダーウィザード』『仮面ライダードライブ』などの仮面ライダーシリーズで、数多くのエピソードの演出を担当した。また、実写版『美少女戦士セーラームーン』も手掛け、幅広い層に親しまれる作品の世界観構築に貢献している。そのほか、『超星艦隊セイザーX』や『トミカヒーロー レスキューファイアー』など、様々な特撮・ヒーロー作品にその手腕を発揮している。

テレビシリーズだけでなく、劇場版映画の監督も務めている。2010年には、『仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー THE MOVIE 超・電王トリロジー EPISODE BLUE 派遣イマジンはNEWトラル』で監督を務め、特撮ファンの間で話題となった。オリジナルビデオ作品としては、『闘牌伝アカギ』や『雀魔アカギ』といった麻雀関連作品、実写版セーラームーンの特別編、Vシネマ作品など多岐にわたる。

さらに近年は、活動のフィールドを海外にも広げている。2017年には、インドネシアで製作された特撮アクション映画『SATRIA HEROES REVENGE OF DARKNESS』の監督を務め、国際的なプロジェクトにも意欲的に取り組んでいる。また、2023年には配信ドラマ『再会、そしてスキップ』を手掛けるなど、新たなメディアでの映像制作にも挑戦している。映像クリエイターとしての実力が高く評価されており、中山淳雄氏の著書『エンタの巨匠』でもその活動が取り上げられている。

現在、舞原氏は映像制作の第一線で活躍する傍ら、後進の育成にも尽力しており、音楽大学で講師として教鞭を執り、未来のクリエイターたちに自身の経験と知識を伝えている。師である鈴木則文氏や、演出補として関わった飯田譲治氏といった先人たちとの出会いが、そのキャリアに大きな影響を与えていることは想像に難くない。幅広いジャンルで多様な作品を手掛け、国内外で活躍を続ける舞原賢三氏は、日本の映像業界において重要な存在と言えるだろう。

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