若い女性

『若い女性』は、1950年度から1953年度にかけてNHKラジオで生放送された、主に10代の女性を対象とした情報・教養番組です。毎週日曜日に放送され、「情操教育を養うもの、思考力を養うもの、実生活に役立つもの」をテーマに、多岐にわたる情報が雑誌のような形式で届けられました。

番組の進行役は、編集長役の尾崎勝子（東京放送劇団）と、助手役の小森美巳（当時高校2年生、のちにNHK職員）が務めました。番組は、座談会や討論会、著名人へのインタビュー、ラジオドラマ、取材録音レポートなど、多彩な内容で構成されていました。番組制作にあたっては、パイロット版を製作し、女子学生らを交えた試聴会を重ね、内容の充実が図られました。

1951年には、作家の林芙美子がゲストとして招かれ、リスナー約30名を交えてトークコーナーが生放送されました。しかし、この放送からわずか4日後、林芙美子は急逝。この時の出演が、放送における彼女の遺作（最後の出演）となりました。この貴重な音源は、2023年12月3日にNHK-FMで放送された『伊集院光の百年ラヂオ』の中で抜粋して放送されたほか、当時の生放送風景をNHKが広報用に制作した記録映画にも収録されています。

『若い女性』は、当時の若い女性たちにとって、新しい情報や知識を得る貴重な機会であるとともに、心の成長を促す存在でもありました。番組を通して、彼女たちは社会への関心を深め、自らの将来について考えるきっかけを得ていたと考えられます。林芙美子の最後の肉声が記録されている点においても、貴重な歴史的資料と言えるでしょう。

番組の詳細は、NHK放送史のウェブサイトで確認できます。

若い女性 - NHK放送史
若い女性 - NHK放送史

もう一度検索