荻上チキ

荻上チキ氏は、1981年11月2日生まれのメディア評論家、編集者です。本名は乙川知紀。ハンドルネームである「荻上チキ」は、好きな漫画『げんしけん』の登場人物から名付けられました。

彼は、特定非営利活動法人「ストップいじめ！ナビ」代表理事、一般社団法人「社会調査支援機構チキラボ」代表理事、そしてTBSラジオの看板番組『荻上チキ・Session』のパーソナリティを務めるなど、多岐にわたる活動で知られています。専門はテクスト論とメディア論で、メディアの普及が社会にもたらす問題点にも積極的に発言しています。

兵庫県明石市出身で、埼玉県浦和西高校、成城大学文芸学部卒業。大学院では東京大学大学院情報学環・学際情報学府で修士課程を修了しています。在学中は石原千秋氏、石田英敬氏に師事しました。

IT企業勤務を経て、2009年には芹沢一也氏、飯田泰之氏らと共に株式会社シノドスを設立。シノドスプランナー兼メールマガジン『αシノドス』編集長を務めました。同社には、橋本努氏、吉田徹氏、安田洋祐氏といった著名な学者もアドバイザーとして参加していました。2018年にはシノドスを退職。現在では、自身のウェブサイトやブログの運営、インターネット配信、シンポジウムやセミナーの司会、編集者としての活動に携わっています。

評論家としては、インターネット上の諸問題、いじめ、フェミニズム、メディア論などを専門として取り上げ、日本の政治、経済、サブカルチャーといった幅広いテーマにも言及しています。

2013年4月からTBSラジオでパーソナリティを務める『荻上チキ・Session-22』（現・『荻上チキ・Session』）は、高い評価を得ており、ギャラクシー賞ラジオ部門DJパーソナリティ賞、日本民間放送連盟賞ラジオ生ワイド部門優秀賞などを受賞しています。番組内の企画「薬物報道ガイドラインを作ろう！」は、第54回ギャラクシー賞ラジオ部門大賞を受賞しました。

滋賀県大津市においては、「いじめの防止に関する行動計画」の評価や策定に関わる委員も務めています。自身も小中学校時代にいじめを経験したことを公表しており、その経験に基づいた活動を行っています。また、うつ病を患っていたことも明かしています。2017年には「ブラック校則をなくそうプロジェクト」のスーパーバイザーを務め、社会問題への取り組みも積極的に行っています。

2016年には週刊文春にて、結婚後、妻と二人の子がいる身で年下の女性と不倫関係にあったことが報道されました。この報道に対しては、ラジオ番組で自ら説明と謝罪を行っています。

荻上チキ氏の著作は多数あり、『ウェブ炎上』（2007年）、『未来をつくる権利』（2014年）、『災害支援手帖』（2016年）など、社会問題を鋭く分析した書籍が知られています。これ以外にも多くの著書、共著、編著があり、それぞれの分野で高い評価を受けています。

メディア活動としては、雑誌連載やテレビ、ラジオへの出演、インターネット配信など幅広く活動しています。近年では、自身の経験や専門性を活かし、多様なメディアを通じて社会問題への提言、情報発信を続けています。

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