菊の司酒造

菊の司酒造株式会社

菊の司酒造株式会社（読み方：きくのつかさしゅぞう）は、岩手県岩手郡雫石町に位置する清酒製造業者であり、地域の日本酒文化を支える重要な存在です。

概要

この酒蔵の歴史は、1615年から1623年にさかのぼります。初代の平井六右衛門が、伊勢松阪から現在の紫波町に移住し、そこで旅館業を始めたことが創業の始まりです。その後、1772年に六代目の平井六右衛門によって酒造業に着手され、酒造りが本格化しました。

1927年には酒造工場を盛岡市に移転し、その後数度の移転を経て、2021年には経営が不振に伴い、事業譲渡を株式会社公楽に行いました。2022年には老朽化を理由に雫石町へ再び移転を決定しました。事業譲渡後、平井家は酒蔵から離れ、平井佑樹氏が日詰平井邸の活用方法を模索しています。

略歴

• - 元和年間 (1615–1623年): 旅館業として創業。
• - 1772年: 酒造業を開始。
• - 明治初頭: 盛岡支店を開設。
• - 1927年: 酒造工場を盛岡市紺屋町に移転。
• - 1929年: 平六商店株式会社を設立。
• - 太平洋戦争中: 盛岡酒造に統合。
• - 1954年: 盛岡酒造から独立。
• - 1955年: 酒造を再開し、数社と合併。
• - 1968年: 社名を「菊の司酒造」に改名。
• - 1975年: 箱庄酒造店と合併。
• - 2021年: 事業を株式会社公楽に譲渡し、グループ傘下に入る。
• - 2022年: 雫石町に移転し、立地協定を締結。

主な銘柄

菊の司酒造では、いくつかの代表的な日本酒を製造しています。その中でも特に有名な銘柄は:

• - 菊の司
• - 季楽
• - 七福神
• - 平井六右衛門
• - だだすこだん

また、米焼酎や粕取り焼酎も生産しています。

日詰平井邸

菊の司酒造の創業地である紫波町日詰には、重要文化財である平井家の住宅があります。主屋や倉庫を含む6棟の建物は、国の重要文化財に指定されています。元専務である平井佑樹氏は、日詰平井邸を活用して醸造所を新たに設立する計画に取り組んでおり、2022年12月には株式会社平六醸造を設立しました。2024年1月からは新たな醸造酒の製造を開始する予定です。

まとめ

菊の司酒造株式会社は、長い歴史と伝統を持つ酒蔵であり、地域文化の重要な一環を担っています。平井家の遺産を生かしながら、現代のニーズにも応じた酒造りを続けていく姿勢は、今後の日本酒文化の発展に寄与することでしょう。

もう一度検索