菊正宗酒造

菊正宗酒造株式会社について

菊正宗酒造株式会社は、兵庫県神戸市に本社を構える日本を代表する酒造企業です。灘五郷の一つ、御影郷で創業され、1659年に創立されて以来、350年以上の歴史を持つ老舗酒造として知られています。この会社は「キクマサ」という愛称でも親しまれており、日本酒業界の中で確固たる地位を築いています。

歴史と沿革

菊正宗酒造は、古くから天皇への献上酒を製造していた歴史があり、特に後醍醐天皇に酒を献上した際には公式にご嘉納を受け、後に「嘉納」の姓を賜りました。このような伝統ある酒造という背景から、江戸時代には「正宗」という商標が広まり、菊正宗の名も定着しました。1612年には酒造業として商業化され、1877年には清酒をイギリスに輸出するなど、国際的な展開も行っています。

1971年には、酒造用具が国の重要有形民俗文化財に指定され、その技術の伝承と保存を目指してきました。2009年には350周年を迎え、現代においても生酛造りを続け、手間暇かけた高品質な酒造りに取り組んでいます。現在では、手間がかかる生酛造りを実践する数少ない酒造の一つです。

製品の特徴

菊正宗の製品は、辛口が特徴で、関東地方で特に人気があります。主力製品には、特撰・上撰・佳撰があり、すべて本醸造酒で、独自のこだわりが表れています。また、樽酒においてはトップシェアを誇り、料理との相性の良さから、食中酒としても高く評価されています。

さらに、「やっぱり俺は菊正宗」というCMソングでも有名で、これにより広く認知されています。以前はラジオCMが中心でしたが、2008年からはテレビCMも展開するようになり、様々な製品が紹介されています。2019年には、サッカー選手アンドレス・イニエスタが『菊正宗アンバサダー』に就任し、新たな広告戦略が展開されました。

異なるブランドとシリーズ

菊正宗酒造は、各種のブランドやシリーズを展開しており、それぞれに特色があります。嘉宝蔵シリーズには、純米吟醸や特別純米酒など、多様なラインナップが揃っています。また、吟醸系や純米酒系など、さまざまな酒が提供されており、消費者のニーズに応える形で多様化しています。特筆すべきは、品質を維持しつつ、デザインやパッケージのリニューアルも行っている点です。

受賞歴と評価

菊正宗酒造は、全国新酒鑑評会で金賞を受賞するなど、品質の高さが多方面で評価されています。その成果は、酒造りにおけるこだわりや、エレガントな味わいだけでなく、伝統を守り続ける姿勢にも裏打ちされています。

最後に

菊正宗酒造は、歴史と伝統に基づいた高品質の日本酒を提供し続ける企業です。これからも、おいしい日本酒を追求し、多くの人々に愛される存在であり続けるでしょう。

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