菊池哲男

菊池哲男：日本の山岳を写し、滑る写真家

菊池哲男氏は、1961年東京都生まれの日本の山岳写真家です。幼い頃から絵画に親しみ、14歳から独学で写真を始めました。20歳を過ぎた頃から山岳写真の撮影に没頭し、現在に至るまで日本の山々、そしてヨーロッパアルプスといった世界の山々を被写体として、数多くの作品を発表し続けています。

彼の活動は、写真撮影にとどまりません。カメラマンとして、山岳専門誌『山と渓谷』や『岳人』といった媒体への作品提供、カレンダーやポスターへの作品掲載といった活動に加え、ライターとしても執筆活動を行っています。写真教室の講師や、フランスのアウトドアメーカー「ミレー」のテクニカルアドバイザーとしての活動も長年続け、その活動領域の広さは、写真家としての枠を超えた多様な才能を物語っています。

2001年には、月刊誌『山と溪谷』の表紙写真を年間を通して担当するという大きな仕事も経験しました。これは、彼の高い技術と実績が業界から認められた証と言えるでしょう。2007年には、長野県白馬村に自身の山岳フォトアートギャラリーを開設し、東京都写真美術館にも作品が多数収蔵されるなど、その作品は広く高い評価を得ています。

菊池氏の活動は、写真という静止画の世界だけにとどまらず、ダイナミックな動きを伴うものも含まれています。ヨーロッパアルプス最高峰のモンブランやモンテ・ローザなど、国内外で約300ルート以上の山々をスキーで滑降しながら取材を行うなど、山岳スキーヤーとしても活躍しています。この経験は、彼の作品に独特の視点と臨場感を与えていると言えるでしょう。

写真集では『美しき山稜』、『白馬 SHIROUMA』、『山の星月夜　-眠らない日本アルプス-』、『白馬岳　自然の息吹き』、『アルプス星夜』、『鹿島槍 五竜岳　－天と地の間に－』など、数多くの作品を世に送り出しています。また、『スキーツアー』、『バックカントリースキー＆スノーボード』、『ハイグレード山スキー』といった著書も出版しており、写真家としての活動に加え、山岳に関する知識や経験を広く一般にも共有しています。さらに『決定版日本百名山』、『日本雪山登山ルート集』、『YAMAP日光・那須・谷川』といった共著にも携わっており、山岳に関する幅広い知識と経験がうかがえます。

近年では、2024年には『The49th Exhibition of The JPS -Professional Members Exhibition 2024-』に参加し、東京都写真美術館・京都市美術館別館で写真展を開催するなど、精力的な活動を続けています。彼の作品は、単なる風景写真にとどまらず、日本の山々の雄大さ、そして自然の美しさを深く感じさせてくれるものです。これからも、山岳写真家、そして山岳スキーヤーとして、彼の活躍から目が離せません。

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