菌と鉄

菌と鉄

『菌と鉄』（FUNGUS AND IRON）は、片山あやかによって描かれる日本の漫画作品であり、『別冊少年マガジン』（講談社）にて2021年4月号から連載されています。本作は、人類の脳に寄生したキノコが社会を支配するという独特な世界観を舞台にした作品で、作者である片山あやか氏にとって初の少年誌連載作品となります。

連載開始時には、同じく人気漫画家である諫山創から応援コメントが寄せられ、『別冊少年マガジン』2021年4月号に掲載されました。また、単行本第1巻の初回限定封入特典として、諫山創がイラストを描き下ろしたカードが付属するなど、話題を呼びました。

あらすじ

物語は、世界を支配する政府「アミガサ」の兵士であるダンテを中心に展開されます。任務で「エリア」の外に出たダンテは、アオイという女性に出会い、彼女との交流を通して「アミガサ」の支配体制に疑問を抱き始めます。やがてダンテは、「アミガサ」に反逆する組織「エーテル」に身を投じ、戦いに身を投じていきます。

登場人物

ダンテ:
エリアD-18で暮らす「アミガサ」の兵士。読み書きはできませんが、高い身体能力を持っています。決められた生活を送ることに疑問を感じていた彼は、任務で出会ったアオイとの出会いをきっかけに「アミガサ」に不信感を抱きます。任務からの帰還後、脳に巨大なアミガサタケを寄生させられますが、自我を保ち続け、「エーテル」の一員として訓練を受け、成長していきます。

アオイ:
「アミガサ」が管理する女性区で働く「エーテル」の一員。任務中にダンテと出会い、再会を約束します。

グラント:
「エーテル」のリーダーであり、「アミガサ」の総督という二重の顔を持っています。アミガサタケに寄生されても自我を保つダンテの能力に注目し、「エーテル」に引き入れます。

ギン:
「エーテル」の特攻部隊の一員で、ダンテの教官。体を鉄化させる「メタルカプセル」を服用しています。ダンテを庇って命を落とします。

用語解説

アミガサ:
人類を管理する世界政府。数百年かけて人類を滅亡させる計画を立てています。

エーテル:
「アミガサ」に抵抗する反乱組織。各地でテロ活動を行っています。

アミガサタケ:
全ての人類の脳に寄生するキノコ。神経系を通じて脳をコントロールします。

女性区:
「アミガサ」が管理する、食料品や日用品を生産する女性たちの居住エリア。

制作背景

作者の片山あやかは、本作について「支配する世界という設定は、現実にも存在する」と語り、読者にそれが伝わるように意識して描いているとのことです。

『別冊少年マガジン』の編集チーフである乙黒和彦は、本作を「どう展開していくか予想のつかない物語が、センスあふれる筆致で描かれる骨太な力作」と評し、書店からの期待も大きいことを明かしています。

書誌情報

片山あやか 『菌と鉄』 講談社〈講談社コミックス〉、既刊6巻（2024年10月8日現在）

2021年7月9日発行（同日発売）、ISBN 978-4-06-523583-6
2022年6月9日発行（同日発売）、ISBN 978-4-06-528162-8
2022年11月9日発売、ISBN 978-4-06-529645-5
2023年6月8日発売、ISBN 978-4-06-531870-6
2024年1月9日発売、ISBN 978-4-06-534164-3
2024年10月8日発売、ISBN 978-4-06-537048-3

外部リンク

* 菌と鉄 - 講談社コミックプラス

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