萬珍樓

株式会社萬珍樓（まんちんろう）

株式会社萬珍樓は、長い歴史を持つ中華料理関連企業として知られています。本拠地である横浜中華街を中心に、国内に複数の拠点を展開しており、洗練された本格的な中華広東料理の提供を主軸としつつ、中華菓子や惣菜の製造・販売、そしてこれらを扱う直営店舗の運営なども手掛けています。

事業内容

同社の主な事業は、中華広東料理レストランの経営です。看板店舗である本店をはじめ、點心舗といった形態で、伝統に根差した豊かな味わいを提供しています。また、食事だけでなく、中華菓子や点心の製造販売も事業の重要な柱の一つです。自社の工房で丁寧に作られたこれらの商品は、直営の売店や工房直営店を通じて販売されており、家庭でも萬珍樓の味を楽しむことができます。これらの事業を通じて、食文化の提供と普及に貢献しています。

沿革

萬珍樓の歴史は、明治25年（1892年）の創業に始まります。1世紀を超える長い伝統を築いてきました。戦後間もない昭和21年（1946年）には、有限会社として法人組織となり、事業基盤を固めました。その後、昭和41年（1966年）には、さらなる事業拡大と組織強化を目指し、株式会社へと改組しています。

昭和後期には、施設の拡充が進められました。昭和61年（1986年）には萬珍樓新山下ビルが竣工し、同年には「萬珍樓 點心舗」が開業しました。さらに、平成元年（1989年）と平成4年（1992年）には、石川町ビルへの増築が行われました。平成5年（1993年）4月には、本社ビルが竣工し、同時に「萬珍樓 點心舗」もリニューアルオープンを遂げ、より充実した体制となりました。しかし、同年12月には、完成から日が浅かった新山下ビルを売却するという出来事もありました。

平成14年（2002年）5月には、長年親しまれてきた萬珍樓本店が火災により焼失するという大きな困難に直面しましたが、この試練を乗り越え、翌平成15年（2003年）4月には、装いも新たに本店をグランドオープンさせました。これは、老舗としての底力と、再建にかける強い意志を示す出来事でした。

近年では、食のニーズの変化や技術の進歩に対応するため、新しい事業領域にも積極的に進出しています。令和4年（2022年）5月には、冷凍技術を活用した冷凍料理の専門売店「萬珍凍眠館（まんちんとうみんかん）」を開設し、店舗での提供に加え、自宅での消費やギフト需要に対応しました。さらに、同年10月には、より多くの顧客に商品を届けるべく、オンラインストア「凍眠オンラインショップ」を開設するなど、販路の拡大と顧客層の開拓を進めています。

店舗

現在、株式会社萬珍樓は、多様な顧客層とニーズに対応するため、国内に計4店舗を展開しています。これには、中心となる「萬珍樓 本店」、点心を中心に提供する「萬珍樓 點心舗」といったレストラン業態に加え、中華菓子や惣菜などを販売する「萬珍樓売店 中華街大通店」、そして「萬珍茶房」が含まれており、それぞれの店舗が独自の特色を持っています。

130年近い歴史の中で、株式会社萬珍樓は、伝統的な広東料理の技術と味わいを継承しつつ、時代の変化に応じた新しい事業やサービスを展開することで、老舗としての価値を守りながら、常に進化を続けています。困難に立ち向かい、現代の食文化に貢献し続けています。

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