虹を呼ぶ男

虹を呼ぶ男

『虹を呼ぶ男』（にじをよぶおとこ）は、水島新司が手がけた日本の野球漫画で、1987年から1989年まで『週刊少年チャンピオン』（秋田書店）に連載されていました。本作では、ヤクルトスワローズという低迷するチームを舞台に、主人公・七夕竹之丞が過酷な状況を打破し、野球界に旋風を巻き起こす姿が描かれています。また、物語の後半では予想もしなかった筋道で相撲漫画へと変遷します。

概要

本作では、セントラル・リーグで成績が振るわなかったヤクルトスワローズが主人公の活躍を背景に描かれています。七夕竹之丞は日本人選手として最高年俸の3億円で入団し、その活躍は多くのファンの期待を集めました。物語は昭和から平成にかけての時代に位置し、前作『大甲子園』が持つ重厚さから急に軽快なストーリーへシフトしています。

七夕竹之丞と、かつての「ミスター」と称された長嶋茂雄の息子・長嶋一茂との対決が主要なストーリーラインとして展開されますが、一茂の実績が思わしくないため、物語における七夕の存在がより際立つことになります。最終的には、七夕のキャラクターが相撲界に大きく足を踏み入れることとなり、ストーリーは異なる舞台に移ります。

登場人物

七夕 竹之丞

この作品の主人公であり、特異な才能を持つ野球選手です。契約金は100円ながらも年俸は3億円という異例の条件でヤクルトに加入します。背番号は「10000」で、彼は当初三塁手としてプレーしていましたが、長嶋一茂の登場により投手へと転向します。もはや超人と称される彼は、オープン戦で4打席連続本塁打を記録し、完全試合も達成するなど、プロ野球に新たな伝説を刻みました。その後、相撲界でも驚異的な成績を上げ、特異な技を次々と生み出していきます。

芦川 誠

ヤクルトの正三塁手候補で、背番号「42」を付けています。努力の末に一軍に昇格するも、長嶋一茂の登場によって自己の立場が脅かされてしまいます。名前が同じ俳優に由来する設定がありつつも、その詳細は明言されていません。

長嶋一茂

かつての名選手・長嶋茂雄の息子であり、現在はその名を背負ってヤクルトに入団しました。七夕との間で三塁手の地位を巡る争いが繰り広げられますが、最終的には投手に転向した七夕のおかげで彼の立場は確立します。

丸山完二

ヤクルトのコーチで、七夕の入団を疑問視していました。彼は七夕の実力を最初のうちは信じられず、何とか化けの皮を剥ごうと常に目を光らせていました。

二子山勝治

日本相撲協会の理事長で、七夕の角界入りに後押しをしながらも、その後の成功には驚きを隠せません。七夕が優勝する度に、自身の判断を反省する一幕も見受けられます。

結論

『虹を呼ぶ男』は、野球と相撲という異色の組み合わせにより、読む者に新たな楽しみを提供します。七夕竹之丞のキャラクターは、ありえない境遇を乗り越えながら成長し、様々な挑戦を経て成功を収めます。彼の物語は単なるスポーツの枠を超え、運命を切り開く力を持っています。

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