補欠選挙

補欠選挙について

補欠選挙は、議会において議員が欠けた場合にその席を埋めるための選挙です。日本では、「補選」とも称され、当選者は前任者の残りの任期を引き継ぐことになります。以下では、日本における補欠選挙制度について詳述します。

日本の補欠選挙制度

日本の補欠選挙に関する制度は、公職選挙法に明示されています。この法令には、国政選挙の際にどのような状況下で補欠選挙が実施されるかが定められています。

国政選挙の場合

実施要件

補欠選挙が実施されるためには、以下のいくつかの条件を満たす必要があります。

• - 衆議院小選挙区では、議員が1人欠員となった場合。
• - 参議院選挙区では、その選挙区の議員定数の4分の1を超える欠員が生じた場合（一部の選挙区では2人の欠員でも補欠選挙が実施されます）。
• - 比例代表部門では、再選挙対象となる当選人の不足数が定数の4分の1を超える必要があります。特に、比例代表では繰上補充が行われるため、実際に補欠選挙が行われることは稀です。

また、参議院議員の通常選挙においては、非改選議員の欠員が上記基準に達していなくても、通常選挙と同時に行われることがあります。

実施日程

補欠選挙の投票日は、発生した事由によって異なります。以下に主な日程を示します。
1. 4月第四日曜日：9月16日から翌年3月15日までの間に欠員が生じた場合。
2. 10月第四日曜日：3月16日から9月15日までの間に欠員が生じた場合。

また、統一地方選挙がある年には、これらの補欠選挙が同時に実施されることが多いです。国政補欠選挙は有権者の視線を集め、政局に影響を与えることがあります。

地方議会における補欠選挙

都道府県議会では、定数が複数の選挙区で2人以上欠員が生じた場合、または単一定数の選挙区で欠員が生じた場合には補欠選挙が行われます。市区町村議会においても、欠員が定数の6分の1を超えた場合に補欠選挙が実施されますが、選挙告示前の知事選などの際に便乗選挙として補欠選挙が行われることもあります。近年では、大都市の議会で単独の補欠選挙が行われる事例は少ないですが、例えば2024年の那覇市議会の補欠選挙では定数の6分の1を満たす欠員が生じ、補欠選挙が行われました。

特別な規定

また、公職選挙法では、議員が辞職した場合にはその欠員に伴う補欠選挙へは立候補できないという規定もあります。これは、任期を自分から放棄したことで再び同じ任期を得ることは不適切であるという考えに基づいています。

終わりに

補欠選挙は、議会の運営や政治局面に大きな影響を与える重要な制度です。日本の選挙制度では、この補欠選挙を通じて、議会における議員の欠員を適切に扱うことが求められます。

このように、補欠選挙の制度や実施条件、実施日程について理解を深めておくことは、政治参加や市民意識を高める上で重要です。今後の補欠選挙に注目しましょう。

もう一度検索