補正予算

補正予算（ほせいよさん）について

補正予算とは、初めに提出された予算が成立した後、予期しない事態や環境の変化によってその執行が難しくなった際に、予算の内容を見直して新たに組まれる予算のことを指します。このような状況において、政府は経済環境の改善や突発的災害への対策を強化するために、補正予算を編成することが求められます。

目的

補正予算の主要な目的は、突発的な事態が発生した際に、予備費では対応できない問題を解決することです。例えば、経済の悪化や災害の発生に際して、国は追加の財政支出を行う必要があります。そのため、補正予算案は国会に提案され、議会の承認を得る必要があります。

国の補正予算の規定

日本の財政法では、補正予算の編成が許可される条件が明記されています。特に、法律や契約に基づく義務のための経費不足を解消する場合、または予算編成後に生じた緊急な経費の支出がある場合です。なお、補正予算は会期のいかなる時点でも提出可能であり、財務大臣による趣旨説明が求められます。

昭和憲法下での例

昭和22年、1947年度には、特に多くの補正予算が組まれ、15回にのぼる例も存在しました。その中には、当初予算成立後まもなく策定された新型コロナウイルスへの対策も含まれています。これにより、当初予定していた支出とは異なる予算の組み替えが行われ、当時の経済状況に即した柔軟な対応が可能となりました。

明治憲法下での制度

明治憲法においても、必要不可欠な経費が不足した場合には追加予算を提出する規定が存在しましたが、帝国議会の批准が得られなければ否決される可能性もありました。特に緊急性が高い場合には、通常の手続きを省略して即座に決定されることもあったため、補正予算の運用に幅がありました。

審議の流れ

補正予算が提案される際には、衆議院での審議が求められますが、迅速を要する場合には通常の質疑関係が省略されることがあります。これにより、審議プロセスが迅速化され、早期の対応が可能となる仕組みが取られています。

地方における補正予算

地方自治体でも、補正予算を編成する基準が法律で定められています。地方自治法に則り、既存の予算に変化が生じた際に、補正を行うことが可能です。ここでも予備費に相当する費用が予算に組み込まれることが一般的です。

まとめ

補正予算は、不測の事態に迅速に対処するための重要な手段です。その成立と実施には国会の承認が不可欠であり、状況に応じて柔軟に対応することが求められます。このように、補正予算は日本の財政運営の中で重要な役割を果たしています。

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