観光地域づくり法人

観光地域づくり法人（DMO）とは

観光地域づくり法人（DMO）とは、Destination Marketing/Management Organizationの略称で、特定の地域を魅力的な観光地として国内外に宣伝・PRする組織です。観光局や観光コンベンションビューローとも呼ばれます。

DMOの主な目的は、レジャー目的の観光客に対して、地域の観光情報を提供することです。観光名所、宿泊施設、交通手段、イベント情報などを包括的に提供することで、観光客の満足度向上と地域への誘客を図ります。

さらに、DMOはMICE（Meeting, Incentive Travel, Convention, Exhibition/Event）の誘致にも力を入れています。MICEは、ビジネス目的の会議やイベントであり、参加者の宿泊、飲食、観光などを通じて地域経済に大きな波及効果をもたらします。DMOは、地域内のMICE開催に適した施設やサービスを整備し、国内外のイベント主催者に積極的にPRすることで、MICEの誘致を促進します。

DMOの財源と運営

DMOは、地方自治体のインフラストラクチャーと連携し、宿泊税などの目的税、会費、政府からの補助金などを主な財源としています。しかし、近年では公共部門の観光業への支出削減が進み、DMOの運営においても民間部門との連携が重要視されるようになっています。地域内の企業や団体が協力し、DMOの活動を支援することで、より持続可能な観光地域づくりを目指すことが求められています。

日本におけるDMO

日本においては、2015年に観光庁がDMOの登録制度を開始しました。この制度は、DMOの質の向上と、地域における観光振興の推進を目的としています。観光庁に登録されたDMOは、国の支援策を活用できるほか、国内外への情報発信においても優位性を持つことができます。

DMOの役割と今後の展望

DMOは、地域観光の活性化において重要な役割を担っています。観光客への情報提供、MICE誘致、地域ブランドの確立など、多岐にわたる活動を通じて、地域経済の発展に貢献することが期待されます。

今後は、デジタル技術の活用や、持続可能な観光（サステナブルツーリズム）の推進など、新たな課題への対応も求められます。DMOは、常に変化する社会のニーズに対応し、地域観光の未来を創造していく存在として、その重要性を増していくでしょう。

参考文献

観光地域づくり法人（DMO）とは - 観光庁
DMO（観光地域づくり法人）向けポータルサイト
* 真子和也「観光地域づくり法人（DMO）―これまでの政策動向と論点―」『調査と情報-Issue Brief-』第1194号、国立国会図書館、2022年6月2日

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