記念切手

記念切手について

記念切手とは、特定の国家的行事や特別なイベントを祝うために発行される郵便切手のことを指します。一般的な郵便切手と異なり、販売される枚数に制限があり、販売期間や郵便局にも制約が設けられることが多いのが特徴です。これに対して、普通切手は特に制限なく販売され、広く流通します。また、記念切手はしばしば「特殊切手」と呼ばれることもあり、特定のキャンペーンや文化的なイベント紹介を目的としていることがあります。特に日本や中国では、こうした呼称の使い方が見受けられます。

世界最初の記念切手

記念切手の歴史は古く、一般的には1871年にペルーが発行した切手が最初とされています。この切手は南アメリカ大陸初の鉄道開通20周年を記念して発行されました。その他にも、いくつかの国で初の記念切手とされる切手がありますが、多くは発行枚数に制限がないため、記念切手とは見なされていません。例えば、アメリカでは1866年に発行されたリンカーン大統領の切手が従来業界で初とされることがありますが、これも普通切手の範疇に入ります。さらに、イギリスやオーストラリアでも歴史的な出来事を記念するために切手が発行されてきました。

記念切手の価値と収集

記念切手は発行当初から切手収集において注目を集めていました。初期には異端扱いをされたこともありましたが、次第にその価値が認められ、現在のように多くの種類が発行されるようになりました。また、切手にはその記念行事やイベントを示すタイトルが付けられることが多いため、収集家にとっては一つの魅力となっています。

日本の記念切手

日本における最初の記念切手は、1894年に発行された明治天皇銀婚記念切手です。この切手は当時、「特別切手」と呼ばれていましたが、現在では「記念切手」として普及しています。日本では戦前に数年ごとに発行される程度でしたが、戦後は毎年数十種類以上の記念切手が発行されるようになりました。特に皇室に関する記念や国際的な祝賀に関連するテーマが定番とされています。さまざまなデザインの記念切手は、国際交流や文化の架け橋ともなっています。

記念切手のデザインの違い

日本の記念切手は、その発行方法やデザインにおいても特徴が見られます。発行初日には特別にデザインされた初日カバーが用意され、一般的な切手とは異なる日付印が使用されます。2008年の郵政民営化以降、地域や企業が共同で販売するフレーム切手も登場し、様々なデザインのオリジナル切手が人気を博していますが、これらは従来の記念切手とは区別されることがあります。

まとめ

記念切手は歴史的、文化的な登録の一部とも言える存在で、多くの国でその発行が行われています。特定の人々やイベントを記念するための切手は、時代や国を超えて人々の思い出として受け継がれ、愛され続けています。収集家にとっても、その背後にある物語や歴史を学ぶ材料となり、切手の収集は一つの文化として根付いています。

もう一度検索