初日カバー

初日カバーとは

初日カバー（英語：First Day Cover）は、特定の郵便切手がその発行日当日に消印された封筒のことを指します。主に記念切手に関連して作成され、切手収集家や記念品収集家にとって貴重なコレクションアイテムとして広く支持されています。初日カバーは略称でFDC（エフ・ディー・シー）とも呼ばれ、コレクターたちの間で幅広く認知されています。封筒以外にも、絵葉書に変形した形態を持つものをマキシマムカード（MC）と呼びます。

初日カバーの誕生

初日カバーは、19世紀後半に切手が普及し始めた時期に偶発的に生まれました。郵便利用者が切手の発行日当日にその切手を窓口で購入し、すぐに使用した場合に自然に形成されることがありました。これが初日カバーの起源であり、初めは偶然の産物でした。しかし、切手収集が世界的に人気を集める中で、郵政当局が意図的に消印を付けた特別な封筒を作成するサービスを提供するようになりました。これにより、初日カバーは故意にデザインされたものとして認識されるようになりました。

初日カバーの種類

初日カバーには「カシェ」と呼ばれるデザインが施されたものがあり、これは切手や関連するテーマに基づいたグラフィックが印刷された封筒のことを指します。一方、何のデザインもない無地封筒を使った初日カバーは「白封」と称されます。意図的にデザインされた初日カバーが最初に作られたのは1920年代のアメリカであり、日本では1940年代に入ってから一般に広まりました。

デザインと作成方法

初日カバーのデザインは、主に郵政事業体や関連業者によって行われます。カシェデザインにおいては、通常、左側にイラストや切手のテーマに関連する画像が配置され、右側に切手と消印が配置されます。このデザインスタイルは幅広く商業的に利用されており、印刷方法も木版印刷やオフセット印刷など多様です。

日本では、最初に記念切手と同時に記念印が作られたのは1906年のことです。この際、多くの官製絵葉書が作成され、切手の貼られた初日印が押印されました。この時期から日本の初日カバーの文化が形成されていくことになります。

現在の初日カバー

毎回新しい切手が発行されるとともに、新たに初日印が押印された初日カバーが作成されています。しかし、近年では切手収集家の減少や民営化による切手の乱発が影響し、初日カバーの人気は以前よりも低下しています。郵頼という方法で個人が初日カバーを依頼することも一般的で、新切手のリリースに合わせて郵近局に手続きが行われます。

特別な消印は、特印やハト印と呼ばれることがあり、収集家の中には新切手に関連する地方の郵便局の消印を特に大切にする者もいます。

まとめ

初日カバーは、切手発行日当日に消印が押された貴重なアイテムであり、コレクションの一環として楽しむことができます。それは郵趣（切手収集）愛好者にとって、歴史的な価値を持つ重要な郵便の一部です。

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