豊川市中央図書館

豊川市中央図書館

豊川市中央図書館は、愛知県豊川市諏訪1丁目に位置する公共図書館であり、豊川市図書館の中央館として機能しています。この図書館は、単なる図書の貸し出しだけでなく、地域に根ざした様々な活動を展開している点が大きな特徴です。

施設概要

中央図書館には、東三河地方の文化、行事、自然環境、遺跡などに関する映像資料を所蔵する「豊川市地域情報ライブラリー」が2階事務室内に併設されています。また、オーロラを体験できるプラネタリウム「ジオスペース館」も2階に設置されており、図書館利用者はこれらの施設も利用できます。

歴史

豊川市立図書館時代（1972年 - 1999年）

1960年代後半から市民の読書熱が高まり、図書館建設の要望が高まったことを受け、1972年6月1日に豊川市立図書館が開館しました。開館時の蔵書は約12,000冊で、鉄筋コンクリート造の2階建て（一部3階建て）の建物でした。館内には、ホール、事務室、児童室、閲覧室、視聴覚室、プラネタリウムなどが設けられました。開館当初は、貸出冊数は2冊まで、貸出期間は8日間でした。

その後、蔵書数の増加に伴い、1980年には増築工事が行われ、1983年には貸出冊数が4冊、貸出期間が15日間に拡大されました。1990年代には、開館時間の延長や祝日の開館、広域貸出の開始など、サービス内容が拡充されました。しかし、蔵書数や利用者数の増加に対し、施設の能力が限界に達したため、新図書館の建設が計画されることになりました。

豊川市中央図書館時代（1999年 - 現在）

1999年7月16日、現在の豊川市中央図書館が開館しました。新館は旧館の約2倍の延床面積を持ち、蔵書能力や閲覧席数も大幅に増加しました。開館時間を早め、夏季の閉館時間を延長したほか、館外貸出の対象を東三河地方全域に拡大しました。開館後1ヶ月間で、1日平均3178人、合計82,621人が来館し、旧館の利用登録者数は12,600人だったのに対し、新館開館1ヶ月後には2万人に増加しました。

2000年には日本照明学会優秀照明施設支部長奨励賞、日本建築学会東海賞を受賞し、2001年には入館者数100万人を達成しました。その後もサービス拡充は続き、2008年には周辺町村の図書館を分館化、2010年には貸出冊数を10冊に増加、2011年には公衆無線LANサービスを開始、2016年には電子書籍の貸出を開始しました。2019年には開館20周年を迎えました。

特徴

豊川市中央図書館は、以下の点で特徴的な図書館と言えます。

地域に根ざした情報発信: 豊川市地域情報ライブラリーでは、地域の文化や歴史に関する映像資料を収集・提供しています。
プラネタリウム併設: オーロラを体験できる「ジオスペース館」は、全国的にも珍しい図書館併設のプラネタリウムです。
ユニバーサルデザイン: 館内はワンフロア型で、障害を持つ人にも利用しやすい設計となっています。
桜並木との調和: 図書館の周りには桜並木があり、開放的な読書空間と美しい景観を同時に楽しめます。

地域情報ライブラリー

地域情報ライブラリーでは、豊川市に関する映像資料の貸出や視聴覚機材の貸出を行っています。また、多目的ホールでは映画上映会も開催しており、地域住民の情報発信と交流の場となっています。

ジオスペース館

ジオスペース館は、直径15.2メートルのプラネタリウムドームを備え、137席の座席があります。精密機器メーカーであるミノルタ（現・コニカミノルタ）の技術が活用され、元技師が操作を担当しています。このプラネタリウムは、オーロラを体験できる全国でも数少ない施設です。

立地

図書館は豊川市役所に近く、豊川公園に隣接しており、市民の憩いの場となっています。図書館と豊川公園の間には「諏訪の桜トンネル」と呼ばれる桜並木があり、読書空間からも桜を眺めることができます。

施設

図書館の建物は2階建てで、正面には総合サービスカウンターがあり、左手に一般開架室、右手に児童開架室が配置されています。書架はすべて1階に配置されたワンフロア型で、バリアフリーにも配慮されています。和室の「読書の間」や、相談ができる「そうだんデスク」も設けられています。蔵書能力は開架が15万冊、閉架書庫が30万冊です。

まとめ

豊川市中央図書館は、地域住民の知的好奇心を満たすだけでなく、地域の文化や情報を発信する重要な拠点です。プラネタリウムや地域情報ライブラリーなど、特色ある施設を併設し、市民の多様なニーズに応えています。開館から20年以上が経過した現在も、常に進化を続け、地域社会に貢献しています。

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