赤穂市立歴史博物館

赤穂市立歴史博物館：塩と義士の物語を刻む

赤穂市立歴史博物館は、兵庫県赤穂市に位置する歴史博物館です。かつて赤穂城内にあった米蔵を思わせる、重厚な建物が特徴的です。西側の外観は5連の白壁土蔵を模しており、歴史的建造物の雰囲気を醸し出しています。1989年に設立され、愛称は「塩と義士の館」。その名に示される通り、赤穂浪士にまつわる歴史と、赤穂の伝統産業である塩づくりに関する資料を豊富に収蔵・展示しています。地域文化の振興と発信を担う重要な拠点として、多くの人々を惹きつけています。

展示内容：赤穂の歴史を多角的に探る

博物館内には、常設展示室と企画展示室があり、多様な展示を通して赤穂の歴史を深く知ることができます。常設展示室では、大きく分けて以下のテーマに沿った展示が展開されています。

赤穂の塩： 製塩に使われた道具や、塩の運搬に用いられた塩廻船の模型など、赤穂の塩づくりを支えた人々の営みを具体的に伝えます。237点にも及ぶ製塩用具は国の重要有形民俗文化財に指定されており、その歴史的価値の高さがうかがえます。塩廻船の復元模型は、当時の技術と規模を体感できる貴重な資料です。
赤穂の城と城下町： 赤穂城の模型や絵図、城下町の出土遺物などを展示。城下町の構造や人々の暮らしぶりを、多角的な視点から紹介しています。
赤穂義士： 赤穂浪士にまつわる歴史資料、浮世絵、文楽人形、映画や演劇に関する資料など、様々な角度から赤穂義士の物語に迫ります。豊原国周の描いた「三代歌川豊国肖像（死絵）」、長安雅山の「義士討入り」、歌川国芳の「殿中刃傷の場」といった貴重な作品も含まれており、歴史好きにはたまらない展示となっています。
旧赤穂上水道： 赤穂上水道の出土遺物や映像を通して、近代化への取り組みや技術革新の歴史をたどることができます。

企画展示室では、時代やテーマを絞った特集展が随時開催され、常設展示では触れられていない側面からのアプローチや、最新の研究成果などが紹介されます。

アクセスと周辺情報：歴史散策の拠点に

博物館は、JR赤穂線播州赤穂駅から徒歩約20分、またはウエスト神姫バスで5分、「大石神社前」下車徒歩3分の場所に位置しています。無料駐車場（普通車90台）も完備されているため、車でのアクセスも便利です。

博物館周辺には、武家屋敷公園（隣接）、大石神社、大石邸長屋門など、赤穂の歴史と深く関わる史跡が点在しています。博物館を拠点に、赤穂の歴史散策を楽しむことができるでしょう。

まとめ：赤穂の歴史と文化を体感できる空間

赤穂市立歴史博物館は、赤穂の塩と赤穂義士という2つの魅力的なテーマを軸に、地域の歴史と文化を深く理解できる施設です。貴重な資料の数々、工夫を凝らした展示、そして好アクセスと周辺環境の良さなど、多くの魅力を備えています。赤穂を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

もう一度検索