赤穂市立民俗資料館

赤穂市立民俗資料館：歴史と文化が息づく明治期の建造物

赤穂市立民俗資料館は、兵庫県赤穂市に位置する博物館です。1983年の開館以来、地域の歴史と文化を伝える貴重な資料を数多く展示し、多くの人々を魅了しています。

この資料館の最大の特徴は、1908年建築の旧大蔵省赤穂塩務局庁舎を保存・再生利用している点にあります。日本最古の塩務局庁舎の一つとして、明治時代の洋風建築を代表する建造物であり、その歴史的価値から1986年には兵庫県重要有形文化財に指定されました。

歴史的建造物と貴重なコレクション

旧塩務局庁舎は、大蔵省臨時設計部と、東京府庁舎や日比谷裁判所なども手掛けた建築家、大熊喜邦らの設計によるものです。木造瓦葺きの旧庁舎、木造瓦葺きの旧塩倉庫、レンガ造りの旧文書庫から成り、合計で約1000㎡を超える延床面積を誇ります。

館内には、赤穂市民から寄贈された8000点以上の民俗資料が展示されています。江戸時代から昭和時代までの生活用具、祭事用具、美術工芸品、そして戦争に関する資料まで、多岐にわたるコレクションは、当時の赤穂の人々の生活や社会の様子を克明に伝えています。

充実した展示内容

資料館は、旧庁舎の各部屋を展示室として活用しています。1階には、旧事務所（写真や教科書）、旧小会議室（趣味や娯楽に関する資料）、旧使丁宿直室（家庭用民具）、旧厨房（食生活用具）、旧燃料室（桶屋道具）、旧分析室（赤穂緞通や手づくり人形）、旧判任官宿泊施設（店棚）など、当時の建物構造と調和した展示が魅力です。

2階には、旧監視課室（戦時資料や戦後復興に関する資料）、旧取調室（楽器やオーディオ）が設けられています。さらに別棟の旧塩倉庫には農耕や生産用具、旧文書庫には瓦やペーパークラフトなどが展示されています。

アクセスと周辺情報

資料館はJR赤穂線播州赤穂駅から徒歩18分の場所に位置しています。周辺には、赤穂城址、赤穂御崎温泉、福浦海水浴場、兵庫県立赤穂海浜公園、そして赤穂市立海洋科学館、赤穂市立歴史博物館、赤穂市立美術工芸館、赤穂市立田淵記念館など、多くの観光スポットがあります。赤穂の歴史と文化を深く探求したい方には、まさに絶好の場所と言えるでしょう。

特別展開催情報

資料館では、定期的に特別展も開催されています。例えば、過去には日本一のビートルズコレクターとして知られる岡本備氏による「ビートルズ来日50周年記念展」などが開催され、多くの人々を惹きつけました。

開館時間と休館日

開館時間は午前9時30分から午後5時まで（入館は午後4時30分まで）、休館日は水曜日（祝祭日の場合は翌日）、年末年始（12月28日から1月4日）です。

赤穂市立民俗資料館は、歴史的建造物と貴重なコレクション、そして周辺の観光資源を組み合わせた、赤穂の魅力を凝縮した博物館です。赤穂を訪れた際は、ぜひ足を運んでみてください。

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