農業法人

農業法人とは

農業法人とは、農業を営む法人に対して一般的に用いられる呼称です。この名称は、学校法人や宗教法人、医療法人のように法律で明確に定められたものではありません。そのため、農業を営む様々な形態の法人が、この呼称で呼ばれています。

農業法人の法的根拠

法的に定められた農業経営に関連する組織形態としては、1962年改正後の農業協同組合法を根拠とする非営利の農事組合法人があります。また、2009年の農地法改正により、株式会社などの一般法人も農地の貸借がほぼ自由に行えるようになり、借地で農業を行う会社も「農業法人」と呼ばれることが多くなりました。

ただし、農事組合法人、株式会社、合名会社、合資会社、合同会社が農地を所有するには、農地法第2条第3項の要件を満たす必要があります。この要件を満たした組織は、農業生産法人と称されます。さらに、2015年の農地法改正により、2016年4月1日からは農業生産法人は農地所有適格法人と改称されました。

法人による農業経営の現状

農業経営体全体が減少傾向にある中で、農地所有適格法人の数は増加しており、2020年1月時点で19,550法人に達しています。また、農地法改正後に新たに農業に参入した一般法人の数も増加しており、2011年10月末時点で618法人、改正以前からの参入法人と合わせると1000以上の法人が農業に参入しています。

法人化のメリットとデメリット

農業を法人化することには、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

制度上のメリット
融資制度や税制上の優遇措置
社会保障制度の適用
農地の取得支援
経営上のメリット
経営管理能力の向上
対外的な信用力の向上
農業従事者の確保・育成、福利厚生の充実

デメリット

義務
納税義務（法人課税が有利になるには一定以上の所得規模が必要）
事業主負担の発生
記帳義務
会計事務に関する経費負担
費用
設立時の資本金や登記費用

関連項目

日本の農業
認定農業者
農業協同組合

外部リンク

公益社団法人日本農業法人協会
農林水産省/農業法人について
農林水産省/農業事業体と農業法人の概念図
農林水産省/担い手に関する統計
* 北海道庁 はじめに～農業法人と農業生産法人

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