近鉄御所線

近鉄御所線

近鉄御所線は、奈良県葛城市の尺土駅から御所市の近鉄御所駅を結ぶ近畿日本鉄道の鉄道路線です。路線の長さは5.2km、全線が単線で、直流1500Vで電化されています。大阪方面への通勤路線としての役割と、葛城山へのアクセスルートという二つの側面を持っています。

概要

路線距離: 5.2km
軌間: 1067mm
駅数: 4駅
複線区間: なし（全線単線）
電化区間: 全線電化（直流1500V）
閉塞方式: 自動閉塞式
交換駅: 近鉄新庄駅
最高速度: 65km/h

運行形態

運転本数は時間帯によって異なり、朝ラッシュ時には1時間に4 - 5往復、日中時間帯は1時間に2往復、夕方ラッシュ時には1時間に4往復が運行されています。南大阪線大阪阿部野橋駅・古市駅との直通列車が設定されており、線内折り返し列車は一部を除きワンマン運転です。

直通運転

朝ラッシュ時には、上り列車の一部が大阪阿部野橋行きの準急として運転されます。また、下り列車の一部には大阪阿部野橋発の準急が設定されています。朝の上下線や夕方・深夜の下り列車の一部は、2 - 4両編成で古市駅まで直通運転します（一部列車はワンマン運転）。

臨時列車

葛城山のツツジが見頃を迎える春の行楽シーズンには、大阪阿部野橋駅 - 近鉄御所駅間で臨時急行「葛城高原号」が運転され、観光客の足として活躍しています。また、大晦日から元旦にかけては終夜運転も実施されています。

使用車両

特急車両を除く、南大阪線系統の通勤形車両が使用されています。ワンマン運転には、ワンマン対応の6419系または6432系が使用されます。通常、試運転を含めて特急車両は御所線に入線しませんが、「さくらライナー」26000系が過去に2度入線したことがあります。

歴史

御所線は、南大阪線の前身である大阪鉄道の傍系会社、南和電気鉄道によって開業されました。当初は五条・橋本方面への延伸計画がありましたが実現せず、近鉄御所駅は中間駅のような構造になっています。1944年に近鉄の路線となり、五条 - 学文路間の計画は1958年に消滅しました。

年表

1930年（昭和5年）12月9日：南和電気鉄道が尺土駅 - 南和御所町駅（現在の近鉄御所駅）間を開業。
1944年（昭和19年）4月1日：関西急行鉄道（近鉄の前身）に合併し、御所線となる。
1968年（昭和43年）9月26日：自動列車停止装置 (ATS) 使用開始。
1999年（平成11年）3月16日：一部の普通列車でワンマン運転開始。
2007年（平成19年）4月1日：各駅でPiTaPa・ICOCAの取り扱い開始。

駅一覧

御所線の駅はすべて奈良県内にあり、全列車が各駅に停車します。

1. 尺土駅
2. 近鉄新庄駅
3. 忍海駅
4. 近鉄御所駅

路線図

(路線図は省略)

参考文献

徳田耕一（編著）『まるごと近鉄ぶらり沿線の旅』河出書房新社、2005年。
諸河久・山辺誠（編著）『日本の私鉄 近鉄2』保育社〈カラーブックス〉、1998年。
近畿日本鉄道（編著）『近鉄時刻表』 各号、近畿日本鉄道。

外部リンク

* 御所線 - 近鉄列車走行位置

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