選挙公報

選挙公報とは

選挙公報（せんきょこうほう）は、選挙に立候補した候補者や政党の政見をまとめた文書です。この公報は選挙管理委員会から有権者へ配布され、選挙の際に非常に重要な情報源となります。公職選挙法に基づき発行され、法律でその内容が詳細に規定されています。

法的根拠

公職選挙法第167条により、選挙公報には候補者の名前、経歴、政見が必ず掲載されることが決まっています。国政選挙や都道府県知事選挙ではこの法律の適用を受け、必ず公報が発行されます。一方、地方選挙の場合は各自治体が選挙公報条例を制定しているかどうかによって発行の有無が決まります。2018年には全都道府県で条例が制定され、すべての選挙において公報が利用可能となりました。

制作と配布の方法

選挙公報は新聞折り込みや、ポスティング業者を通じての配布など、さまざまな手段で有権者に届けられます。しかし、最近では他の広告物と同様に配布を拒否される例も増えています。公報は2部作成され、1部は印刷会社に提出し、もう1部は選挙管理委員会に保管される仕組みです。候補者が個別に掲載文を提出することが求められる場合もあります。また、罰則が設けられており、虚偽の内容が含まれる場合には刑事罰が科されることもあります。

配布の制限

無投票当選や天災などの不可抗力がある場合、選挙公報の配布は行われないことがあります。このような際、住民は開示請求を通じて原稿を入手することができます。さらに、1986年の最高裁判決により、選挙公報の内容に関して選挙管理委員会は修正する権限を持たないことが明確化されています。

期日前投票と公報

期日前投票を行う有権者は、選挙公報を目にする機会が限られています。そのため、一部の自治体では期日前投票所に公報を設置するなどの工夫がされています。ただし、これに関しては準備のタイミングによってバラツキがあるのが現状です。

インターネットでの情報提供

インターネットで選挙公報を公開することは以前は認められていませんでしたが、震災を契機に特例として許可されるようになりました。これによって、より多くの人々に情報が届けられる機会が増えました。しかし、この手段に関しては公約の検証が難しく、政治家の言い放しになる可能性が懸念されています。そこで、選挙公報のアーカイブを行うためのサイトがボランティアによって立ち上げられています。

寸法とデザイン

選挙公報のサイズは選挙によって異なり、ブランケット判やタブロイド判などが採用されています。候補者の数に応じて、掲載文や写真のサイズが決まるため、適切なレイアウトが必要です。具体的には、衆議院や参議院での比例選挙において、候補者の人数によってページに占める割合が定められています。

類似の公報

選挙公報と似た仕組みとして、最高裁判所裁判官国民審査公報や憲法改正国民投票公報があります。これらの公報も、それぞれ特定の情報を有権者に伝える目的で発行されます。選挙公報は、選挙運動や政策に関して有権者が必要な判断を下すために重要な役割を果たしています。

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