郡山地方広域消防組合

郡山地方広域消防組合：歴史と組織、そして災害への取り組み

郡山地方広域消防組合は、福島県中部に位置する郡山市、田村市、そして田村郡三春町と小野町という2市2町によって構成される消防組織です。その歴史は古く、昭和7年（1932年）に郡山市常備消防部として発足したことに始まります。その後、郡山市消防本部へと発展し、組織体制の強化、消防施設の充実を図りながら、地域の安全を守ってきました。

組織の変遷：広域化への道のり

当初は郡山市単独の消防組織でしたが、昭和48年（1973年）に郡山市を基幹として近隣町村（本宮町、三春町、小野町、滝根町、大越町、都路村、常葉町、船引町）と広域消防組合を設立。これにより、より広範囲な地域をカバーする体制へと進化しました。組合設立と同時に、郡山市消防本部は郡山地方広域消防組合消防本部へと移行し、郡山市消防署は郡山消防署と改称されています。

組合発足後も、分署の新設や消防設備の拡充を積極的に行い、消防体制の充実を図ってきました。昭和49年（1974年）には、大槻分署、本宮分署、三春分署、小野分署、船引分署が開設され、その後も、安積分署、常葉分署、滝根分署、喜久田分署、針生分署、都路分署、湖南分署、中田分署、移分駐所、大越分遣所などが順次設置されました。また、平成20年（2008年）には、福島県内で初めてとなる高度救助隊（スーパーレスキュー郡山）が発足し、高度な救助技術を要する災害への対応能力を高めました。

平成11年（1999年）には現在の消防本部と郡山消防署庁舎が完成し、より近代的な消防業務の展開が可能となりました。平成22年（2010年）には、郡山市西部の警防体制を見直し、大槻分署と喜久田分署を基幹分署に改称。針生分署は救急活動専門の針生救急所へと役割を転換するなど、時代の変化に合わせた組織改革も進められています。

災害への対応：地域を守る力

郡山地方広域消防組合は、これまで数々の災害に対応してきました。平成16年（2004年）の新潟県中越地震、平成20年（2008年）の岩手宮城内陸地震には緊急消防援助隊を派遣し、被災地への支援に貢献しています。そして、平成23年（2011年）の東日本大震災では、未曽有の大災害に対して、組合をあげて対応にあたりました。

消防車両：充実した装備

2019年3月時点での消防車両の保有状況は、普通消防ポンプ自動車14台、水槽付消防ポンプ自動車4台、はしご付消防自動車2台、化学消防自動車2台、救急自動車21台、救助工作車3台、小型動力ポンプ付水槽車1台、指揮隊車1台、指令車17台、防火広報車1台、資機材搬送車1台と、充実した装備を整えています。

まとめ

郡山地方広域消防組合は、長年に渡る経験と、最新の設備・技術を駆使することで、地域の安全・安心を守り続けています。これからも、災害への備えを強化し、住民の生命と財産を守るため、その役割を果たしていくことでしょう。その歴史と取り組みは、地域防災の重要な一翼を担っていると言えるでしょう。

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