酸化カドミウム

酸化カドミウム：性質、反応、用途

[酸]]化カドミウム]は、[[カドミウムの酸化物であり、化学式はCdOで表されます。日本では毒物及び劇物取締法で劇物に指定されているため、取り扱いには細心の注意が必要です。

生成方法

酸化カドミウムは、いくつかの方法で生成できます。金属カドミウムの燃焼、あるいは水酸化カドミウム、硝酸カドミウム、炭酸カドミウムなどのカドミウム化合物を熱分解することで得られます。特に純度の高い酸化カドミウムを得るには、精製した硝酸カドミウムを550℃で加熱分解する方法が有効です。それぞれの反応式は以下の通りです。

金属カドミウムの燃焼： 2Cd + O₂ → 2CdO
水酸化カドミウムの熱分解： Cd(OH)₂ → CdO + H₂O
硝酸カドミウムの熱分解： 4Cd(NO₃)₂ → 4CdO + 4NO₂ + O₂
炭酸カドミウムの熱分解： CdCO₃ → CdO + CO₂

物理的性質

酸化カドミウムは、通常、褐色の無定形粉末または暗赤色の立方体結晶として存在します。結晶構造は塩化ナトリウム型であり、格子定数はa = 4.689Åです。生成方法や加熱履歴によって、薄い褐色からほぼ無色まで、様々な色合いの結晶が得られます。これは結晶格子中の欠陥によるものと考えられています。酸化亜鉛と同様に、酸素分圧によって電気伝導率が変化し、n型半導体としての性質も示します。水やアルカリ水溶液にはほとんど溶けません。しかし、希酸やアンモニウム塩水溶液には溶解し、カドミウム塩の水溶液となります。

反応式は以下の通りです。

希酸との反応： CdO + 2H⁺ → Cd²⁺ + H₂O
アンモニウム塩との反応： CdO + 2NH₄⁺ → Cd²⁺ + 2NH₃ + H₂O

化学的性質

酸化カドミウムは還元されやすく、400℃で一酸化炭素、600℃で炭素によって還元されて金属カドミウムになります。

一酸化炭素による還元： CdO + CO → Cd + CO₂
炭素による還元： CdO + C → Cd + CO

また、424℃で硫黄と反応して硫化カドミウムを生成し、塩素中で加熱すると塩化カドミウムを生じます。

硫黄との反応： 2CdO + 3S → 2CdS + SO₂
塩素との反応： 2CdO + 2Cl₂ → 2CdCl + O₂

加熱によって昇華し、酸化カドミウム蒸気は強い毒性を示すため、取り扱いには十分な注意が必要です。

用途

酸化カドミウムは、透明な薄膜電気伝導体材料として利用されています。他にも、触媒、蛍光体、セラミックスのつや出し剤など、幅広い用途に使用されています。その毒性から、近年では代替材料の開発が進められています。

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