野口竜

野口竜について

野口竜（のぐち りゅう、1944年1月1日 - 2012年1月2日）は、福岡県久留米市出身の著名な日本の漫画家、デザイナー、イラストレーターです。本名は野口勝。彼は「野口まさる」や「久留米東」、「野口太陽」とも知られ、独自のスタイルとセンスで多くの作品に影響を与えました。

来歴

高校卒業後、上京した野口は、漫画家を志し、石森章太郎の作品からインスピレーションを受けるようになります。弟子入りを試みましたが断られ、代わりに紹介されたスタジオ・ゼロで『オバケのQ太郎』の背景を担当。その後、石森の専属アシスタントとして『おかしなおかしなおかしなあの子』や『サイボーグ009』に関わりました。1970年には独立し、「女王陛下のユリシーズ号」で本格的なデビューを果たしました。彼はコミカライズ分野で特に活躍し、特撮作品のキャラクターデザインを数多く手がけ、スーパーロボット レッドバロンや宇宙刑事シリーズなど多様なジャンルで活躍しました。

90年代にはゲーム会社カプコンに参加し、『バイオハザード』や『鬼武者』などのビジュアルワークも手がけました。晩年は主にイラストに専念していましたが、68歳の誕生日の翌日、2012年に他界しました。彼の遺作は、映画『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』の魔空監獄デザインでした。

作風

野口の作品は、オリジナル作品の絵柄をできるだけ忠実に再現する姿勢が特徴的です。特に『仮面ライダー』では怪人を正確に描いており、そのキャラクターデザインには赤塚不二夫や藤子不二雄の影響が見えます。また、子どもたちが真似やすいキャラクター作りを意識し、楽しい作品づくりを心がけていました。

彼は南洋の仮面文化やアフリカン・アートからインスピレーションを受け、独特のデザインを生み出しました。特に『ザ・カゲスター』のドクターサタンなど、彼の作品には異文化の影響が色濃く見られます。

エピソード

初期の頃、野口はペンネームに特にこだわらず、複数の名前を使い分けていました。特に「野口竜」という名前は、雑誌の発行後に初めて知ったというエピソードがあります。また、彼のデザインしたキャラクターには実在の人物や身の回りの事物がモデルとなっているものがあり、『オバケのQ太郎』の小池さんの名は彼が実際に住んでいた大家の名前だったそうです。

野口は仕事に没頭するあまり、連絡が取れなくなることも多かったといいます。彼は、映像制作においては集団作業が不可欠であるため、デザイン完成後は現場に委ねる必要がありますが、漫画では自由に自分の世界を表現できることを重視していました。

主な作品

彼の代表的な作品には、スーパーロボット レッドバロンや仮面ライダーシリーズ、スーパー戦隊シリーズが含まれます。これまでに数多くのキャラクターデザインを担当し、特撮作品のビジュアル面を彩りました。

まとめ

野口竜は、日本の漫画界やアニメ、特撮の分野に多大な影響を与えた才能溢れるクリエイターでした。彼の作品は今なお多くのファンに愛され続けています。

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