金森赤レンガ倉庫

金森赤レンガ倉庫について

金森赤レンガ倉庫（かねもりあかレンガそうこ）は、北海道函館市に位置する歴史ある赤レンガ倉庫の集合体です。管理運営は金森商船株式会社が行い、この地域は重要伝統的建築物群保存地区に指定されています。また、函館の観光名所としても広く知られています。

この倉庫群は、かつて大分県から函館に移住した実業家、初代渡邉熊四郎によって1872年に開業された「金森森屋洋物店」から始まりました。倉庫の設置場所も、幕末に造船所や外人居留地があった埋立地にあり、歴史的な背景が色濃く残る地域です。

歴史の概要

金森赤レンガ倉庫の起源は1863年まで遡ります。まず、渡邉熊四郎は長崎県から箱館に渡り、1869年に大町に「金森森屋洋物店」を開業しました。この際、曲尺（かねじゃく）と「森」を組み合わせた屋号が使われており、倉庫に描かれている印にもその名残があります。1884年から彼は倉庫の必要性を感じ始め、1887年からは営業倉庫業を開始しました。

事業は順調に発展し1898年には函館麦酒醸造所を設立、現在の函館ビヤホールの基盤も築かれました。しかし、1907年には大規模な火災が発生し、倉庫の一部が焼失するという大きな災害に見舞われました。復興には迅速に取り組まれ、1909年には新しい倉庫が完成し、再び函館の倉庫業界の中核を担う存在となりました。

昭和後期には社会情勢の変化が影響し、倉庫業は徐々に縮小しました。その一方で、金森赤レンガ倉庫は伝統的な建物として注目を集めるようになり、1988年に「函館ヒストリープラザ」として一部が改装されました。以降、様々な商業施設が誕生し、観光の拠点として再生しました。

現在の用途

今日の金森赤レンガ倉庫は、ショッピングモールやレストラン、イベントホールといった多彩な店舗が集う複合施設として利用されています。特に、「BAYはこだて」や「函館ヒストリープラザ」などは、多くの観光客に訪れられています。また、金森ホールではコンサートや展示会が行われ、年間150～200万人の観光客が訪れるといわれています。

さらには、金森倉庫前で行われる「はこだてクリスマスファンタジー」は、カナダのハリファックスから贈られる巨大なクリスマスツリーを飾りつけ、多くの人々を引き寄せます。このツリーの点灯式は毎年の恒例行事となっており、ライトアップされたツリーは特に美しい光景を提供します。

アクセス

函館赤レンガ倉庫は、JR函館駅から近い立地にあり、車での移動は約5分、徒歩でも15分の距離にあります。また、函館市電十字街停留場からは徒歩2分と非常に便利なアクセスが特徴です。在来の観光名所と合わせて、金森赤レンガ倉庫を訪れる重要性は高まっています。歴史ある倉庫の背景に触れることは、観光旅行の貴重な体験となるでしょう。

このように、金森赤レンガ倉庫は函館の文化や経済に深く根付いた存在です。また、地域の歴史を生かした形で観光資源としての価値が評価されており、今後も多くの訪問者を迎え入れ続けることでしょう。

もう一度検索