金魚すくい

金魚すくいについての詳細

金魚すくい（きんぎょすくい）は、観賞用の金魚を水槽からすくい取る遊びで、特に夏の縁日で人気があります。この伝統的なアクティビティは、屋台や祭りの一部として広く行われており、「スーパーボールすくい」や「アクリル宝石すくい」など他の類似のゲームと共に「すくい物」と呼ばれ、特に子どもたちに親しまれています。

金魚すくいが特に有名なのは、奈良県の大和郡山市です。ここでは金魚の養殖が盛んに行われており、1995年からは毎年8月に「全国金魚すくい選手権大会」が開催されています。選手権では、金魚をいかに多くすくい上げられるかが競われ、遊びとしての楽しさだけでなく、技術的な面でもスポーツ化されています。

遊び方と用具

金魚すくいでは、大小の椀（ボール）と「ポイ」と呼ばれる道具を使います。通常、ポイは円形のプラスチック枠の内側に和紙が貼られたもので、水に浸すとふやけて壊れやすくなります。このため、いかにしてポイを破らずに多くの金魚をすくうかが、この遊びの最大のポイントです。

多くの縁日では、すくった金魚を持ち帰ることができるのが特徴です。しかし、子供にとっては難易度が高いことから、店によっては数匹を無条件に持ち帰らせてくれるところもあります。また、すくった金魚の数に応じて別料金を設定している店舗もあります。他にも、金魚特有のローカルルールが存在しており、すくった金魚の数量によって他の生物（フナやメダカなど）と交換できる場合もあります。

金魚を渡す際には、持ち運びに便利な「金魚袋」と呼ばれる袋が提供され、これも金魚すくいの一部として楽しさを増加させています。

飼育に関する問題

金魚とメダカを同じ水槽で飼うことは飼育の上であまり好ましくありません。なぜなら、金魚がメダカを捕食してしまうことがあるからです。不要になった金魚が公園の池や下水に放流されることも多く、こうした行為は生態系に影響を及ぼす場合があります。特にビオトープ施設や保護された湿地では、こうした放流によって苦慮する事例が多数報告されています。

選手権と文化

「金魚すくいの日」とされる8月第3日曜日は、金魚すくいの文化をさらに広めるための特別な日です。2021年には、金魚すくいをテーマにした映画『すくってごらん』が公開されるなど、金魚すくいは現代でも重要なローカル文化として認知されています。

使用される金魚とポイ

金魚すくいに使われる金魚は、一般的に観賞用として養殖されたもので、外観的に劣るものは通常市場に出回ることがありませんが、一部は金魚すくい用として使われます。金魚の種類には、小赤、黒出目金、琉金、姉金、大物などがあります。

ポイは、金魚をすくうための道具で、通常は紙製のものが使われますが、針金製のホルダーを使用することもあります。ポイの厚さによって直径が異なり、全国金魚すくい選手権大会では特定の号数のポイが用いられます。ポイの水に浸けることによってその強度が変わるため、すくう技術が問われる場面が多々あります。

さらに、金魚を効率的にすくうためには、水面下での動きや金魚の行動を観察する必要があります。特に水面近くでじっとしている金魚は良い狙い目です。日本各地で行われている金魚すくいイベントでは、参加者が技術を競い合い、その楽しさを共有しています。

金魚すくいは、技術と運が組み合わさった、夏の風物詩として多くの人々に愛され続けています。

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