銀水駅

銀水駅：歴史と地域が織りなす、静かな佇まいの駅

福岡県大牟田市草木に位置するJR九州鹿児島本線銀水駅（ぎんすいえき）は、1926年（大正15年）4月1日の開業以来、地域の人々の暮らしを見守り続けてきました。駅番号はJB26。熊本方面からの列車の一部は当駅で折り返します。

歴史と変遷

銀水駅は、三池郡銀水村の地名に由来します。「銀水」の名は、この地を流れる白銀川（別名：銀水川）の、かつては白銀のように澄んだ美しい水にちなむと言われています。

開業以来、時代の流れとともに変化を遂げてきました。1978年には貨物取扱いを廃止、1984年には荷物扱いを廃止、そして1986年には駅員無配置駅となりました。国鉄分割民営化後の1987年にはJR九州が継承し、2009年にはICカードSUGOCAの利用が開始されました。その後、2016年には簡易委託化され、2024年にはきっぷの販売窓口が廃止される予定です。

駅舎は、建物財産標によると1926年3月29日竣工とされ、ほぼ開業当時からの姿を残していると考えられます。歴史を感じさせるその佇まいは、訪れる人々に郷愁を誘います。

駅構造と設備

銀水駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線の地上駅です。ホーム間は跨線橋で連絡しており、乗降客の利便性を考慮した設計となっています。

一方、トイレ設備は課題となっています。駅舎とは別に建てられた1979年建築のコンクリート造の建物内に設置されているトイレは、男女共用の汲取り式です。特に、和式・汲取り式便所に慣れていない近隣の高校生の利用客が多いことから、2017年に地域コミュニティ組織「銀水校区まちづくり協議会」が中心となって、JR九州や大牟田市に改修を要望してきました。2023年には、協議会と周辺3高校で「銀水SAIKO～実行委員会」を設立し、JR九州と市の了承を得た上で、募金活動やクラウドファンディングを通して改修実現に向けて尽力しています。

利用状況と周辺環境

2021年度の1日平均乗車人員は605人です。銀水駅は、旧銀水村の中心部に位置し、周辺は住宅地となっています。

駅周辺には、福岡県立三池高等学校、私立大牟田中学校・高等学校、私立誠修高等学校など教育機関が集中しています。また、大牟田青果や福岡県済生会大牟田病院といった施設も近隣にあり、生活利便性も高い地域です。当駅に最も近いバス停は、国道208号線上に位置する西鉄バス大牟田の済生会前停留所です。さらに、南西約400mの位置には西鉄天神大牟田線の西鉄銀水駅もあり、複数の交通手段を利用できる利便性の高さが魅力です。

銀水駅と国道208号を結ぶ福岡県道727号銀水停車場線も整備されています。郵便局も近く、生活に必要な施設が充実しています。

隣の駅

銀水駅の隣の駅は、下り方面が吉野駅（JB25）、上り方面が大牟田駅（JB27）です。快速列車は通過しますが、区間快速と普通列車は停車します。

まとめ

銀水駅は、歴史を感じさせる駅舎と、地域住民の温かい交流、そして将来に向けた積極的な取り組みが共存する、魅力的な駅です。地域に密着したその姿は、日本の地方都市の駅のあり方を示す一つのモデルケースと言えるでしょう。

もう一度検索