鎌倉ニュージャーマン

株式会社鎌倉ニュージャーマンの歴史と再生

神奈川県鎌倉市に本社を構える洋菓子メーカー、株式会社鎌倉ニュージャーマン（以下、旧社）は、1968年に創業されました。「かまくらカスター」や「鎌倉ロール」といった人気商品を擁し、クッキーや生ケーキ、スイートポテトなど多彩な製品を提供してきました。

企業の成り立ち

旧社は1971年9月に法人として設立され、以降、直営店に加えて百貨店や駅ビルでの販売を手がけ、さらにスーパーマーケットへの卸売りも行いました。1993年には新しい工場の設立を行い、百貨店への進出を活発化させ、最盛期には約30店舗を運営するほど成長しました。2001年には、売上が約18億3600万円に達する成功を収めました。

しかし、その後のリーマン・ショック以降、業績は急激に悪化。多数の店舗を閉鎖する中でも業績の回復は難しく、2019年9月期の売上は約6億3000万円と大幅に減少しました。さらに、かつての設備投資の影響で財務状況も厳しくなり、旧社はM&A仲介会社を通じて複数の企業とも交渉を展開しましたが、すべての案件が決裂しました。

モロゾフとの提携

そんな中、2019年の年末に、同業の大手企業モロゾフが動き出しました。モロゾフの東京支店長が鎌倉の大船工房を訪問し、旧社を支援する意向を示したのです。これを受けて、モロゾフは2020年2月に株式会社鎌倉ニュージャーマン（新社）を設立し、旧社からすべての事業を翌4月に譲受しました。新社の本社も鎌倉駅前の本館内に置かれ、新社の社長としてモロゾフの役員が就任しました。

新社は、製造設備の更新や、ラインナップの見直しを進め、観光客の土産物需要に応える戦略を展開しました。新たにオープンした鎌倉本店は、2020年11月には装いも新たにリニューアルオープンし、山口信二社長は「本当の意味の再生スタート」と宣言しました。

旧社の解散とその後

一方で旧社は2021年3月31日に商号を株式会社ヒワハーブに変更し、その後東京都大田区へ本店を移転しました。ですが、経営が厳しかったため、ヒワハーブは同年5月31日に解散を決議し、2022年2月15日には東京地方裁判所から特別清算開始決定を下されました。最終的にヒワハーブが抱えた負債は約5億円に上りました。

結論

株式会社鎌倉ニュージャーマンは、旧社からの再生に向けて新たなスタートを切っています。その背景には、外部からの支援があり、再生を目指すための強固な計画が存在します。今後、鎌倉の風土を大切にしながら、どのような新たな商品展開やビジネス戦略を展開していくのかが期待されます。

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