鎌倉殿

鎌倉殿についての解説

鎌倉殿（かまくらどの）は、鎌倉幕府の棟梁を指す言葉であり、鎌倉幕府そのものも指すことがあります。この言葉は源為義やその子源義朝以降、清和源氏を継ぐ鎌倉家や鎌倉流も同様に指されるようになりました。特に「平家物語」では、鎌倉殿が源頼朝を示す用語として使われ、歴史的に源頼朝と強い結びつきを持つ表現です。

江戸時代中期以降、「幕府」という言葉が使われるようになりましたが、鎌倉時代の武士たちは鎌倉幕府を「鎌倉殿」と呼んでいました。また、室町幕府の足利将軍も鎌倉幕府の後継者とされ、初期には「鎌倉殿」や「鎌倉将軍」と呼ばれていました。たとえば、二条良基の著作『連歌十様』では、3代将軍足利義満を「鎌倉将軍」と表現しています。その後、義満が室町に居を構えるようになると、「室町殿」と呼ばれるようになり、鎌倉公方が新たに「鎌倉殿」の呼称を持つこととなりました。

征夷大将軍との関連性

鎌倉幕府時代における鎌倉殿と御家人との関係は私的なものであり、公式な裏付けがあったわけではありません。この関係は源頼朝が征夷大将軍に任命される前から続いていましたので、厳密には鎌倉殿と征夷大将軍の地位は同じではありません。一般的には、征夷大将軍の地位が鎌倉殿の地位を公的に担保するものであると考えられています。

例えば、2代・源頼家が征夷大将軍職に就いたのは家督相続から3年後、さらに源実朝の死後に鎌倉殿となった藤原頼経も従ったように、鎌倉殿としての地位が空位の時期がありましたが、これが問題視されることはありませんでした。征夷大将軍の地位が鎌倉殿を担保するものとされる一方で、実際には以下の二つの地位がその役割を果たすとされることもあります：

• - 日本国惣追捕使（惣追捕使、後の守護の任免権を持つ）
• - 日本国惣地頭（地頭の任免権を持つ）

これらの地位はいずれも1185年に文治の勅許で源頼朝が得たもので、鎌倉殿に受け継がれていきました。

鎌倉の源氏棟梁

河内国の壷井を本拠地とした河内源氏の2代目である源頼義は、舅である平直方から鎌倉の屋敷を譲り受け、これが源義朝のころに東国拠点となります。そしてその後、頼朝が1160年に伊豆に流刑され、1180年に挙兵をすると鎌倉に居を構えます。鎌倉殿はここで源氏の棟梁を指し、源頼朝以降における武家の通称として位置付けられました。

歴代の鎌倉殿

鎌倉殿には以下のような歴代の棟梁がいます：
1. 源頼朝
2. 源頼家
3. 源実朝
4. 藤原頼経
5. 藤原頼嗣
6. 宗尊親王
7. 惟康親王
8. 久明親王
9. 守邦親王

これらの人物は、鎌倉殿としての重要な役割を果たし、鎌倉幕府の歴史を形作る一翼を担っています。鎌倉殿の名前は、歴史の中で再評価され続けています。

関連項目

• - 十三人の合議制
• - 鎌倉殿の13人

これらの情報を通じて、鎌倉殿が持つ歴史的な意義をさらに理解することができるでしょう。

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