閔妃

閔妃（ミンビ）とは

閔妃（ミンビ、1851年11月17日 - 1895年10月8日）は、李氏朝鮮の第26代王・高宗の妃であり、明成皇后とも呼ばれる。彼女は驪興閔氏出身で、本名は閔玆暎（びん じえい）である。尊号は「孝慈元聖正化合天」で、彼女の政治的影響力と困難な生涯が評価されている。ただし、その治世は多くの困難と対立に満ちていた。

政治的背景と権力闘争

閔妃は国王の正妃として権力の座に就いたが、夫との真霊君への依存や閔氏一族の親族を重要な地位に登用する施策が反発を招いた。彼女は政敵である興宣大院君との権力闘争に突入した。この闘争は官吏の汚職を助長し、国庫の浪費を引き起こす結果となった。

彼女が政権を握っていた時代、日本は影響力を強め、開化派政策が推進されていたが、大院君派や旧式軍隊との対立が激化し、閔妃は数度の暗殺未遂事件に見舞われた。

暗殺とその影響

1882年の壬午事変では、旧朝鮮軍による暗殺未遂があったが、閔妃はその危機を乗り越えた。しかし、後に彼女は親清から親露に方針を変更した。この時期、乙未事変が勃発し、閔妃は再び危機に陥った。彼女は王宮内で日本軍によって暗殺され、死後、興宣大院君によって平民に降格された。

閔妃の家族と出自

閔妃は、閔致禄の娘として京畿道で生まれ、閔氏一族は中国系とされていた。彼女は高宗と結婚し、彼の統治を助ける一方で、自身の子供を王位に就けるために清に賄賂を贈り、李坧（後の純宗）を王世子にすることに成功した。

変革の時代を象徴する人物

閔妃はその治世を通じて、親日的な政策から親清、親露と、国際情勢に応じた側方転換を行った。李氏朝鮮の歴史において、彼女の存在は単なる王妃にとどまらず、時代の権力争いを生き抜いた象徴的な存在である。その反面、彼女の統治は多くの問題を生み、特に官吏の腐敗や国庫の浪費が深刻な問題となっていた。

歴史的評価

閔妃は賢い知恵を持ちながらも、権力欲に取り憑かれた側面もあった。彼女の行動はしばしば同時代の人々から評価されず、彼女の死後も議論を呼ぶ要因となった。閔妃に対する評価は、政敵の支配や周辺国との外交に大きく影響を与える。

最後に

閔妃は明成皇后として、李氏朝鮮最後の時代にその名を刻んでいる。彼女の権力闘争と悲劇的な最期は、歴史の中で重要な事件として語り継がれ、国の政治や国際関係に多大な影響を及ぼした。高宗と共にその後の朝鮮に大きな足跡を残した彼女の生涯は、時代の変化を体現している。

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