除脂肪体重

除脂肪体重とは

除脂肪体重（じょしぼうたいじゅう）、英語ではlean body mass、略称LBMは、個体の総体重からその脂肪組織の重量を差し引いた値で、身体の健康状態や体 composition の指標の一つとして利用されます。一般的に、除脂肪体重を求める公式は以下のようになります。

除脂肪体重の計算式

除脂肪体重 (kg) = 体重 (kg) - 脂肪組織の重量 (kg)


この公式から明らかに、除脂肪体重率と体脂肪率は関連しており、次のような等式が成り立ちます。


除脂肪体重率 (%) + 体脂肪率 (%) = 100 (%)


この計算により、個体の健康状態や体形をより詳しく理解することができます。

測定方法

除脂肪体重は、数学的な計算によるだけでなく、最新の画像診断装置を使って直接計測することも可能です。このような技術が進歩することで、より正確に体組成を測定できるようになっています。

除脂肪体重の重要性

除脂肪体重は、薬物投与量の決定にも重要な役割を果たします。脂肪組織は一般的に薬物代謝が低いとされるため、除脂肪体重を基にした薬物投与が求められることがあります。特に、肥満児に関しては、肥満成成人よりも脂肪組織以外の部分が少ないため、脂溶性薬物の分布に大きな変化をもたらすことがあります。例えば、短時間作用性オピオイドであるレミフェンタニルの投与に関しては、体重を基に投与すると過剰投与の危険性があるため、LBMを参照した方が良いとされています。

除脂肪体重の推定法

最近の研究では、除脂肪体重を比較的簡単に推估するための計算式も提案されています。特に、以下のような性別による計算式が一般に利用されています。

男性の場合

除脂肪体重 (kg) = 0.32810 × 体重 (kg) + 0.33929 × 身長 (cm) - 29.5336

女性の場合

除脂肪体重 (kg) = 0.29569 × 体重 (kg) + 0.41813 × 身長 (cm) - 43.2933

これらの公式は、その人の体重や身長を元に計算されますが、腕囲を用いた方法など、他の要素を考慮した計算式も存在します。

健康と除脂肪体重

体重管理の観点から、特に肥満状態の人は、除脂肪体重を減少させずに全体の体重を減らすことが理想だとされます。例えば、日本人の低体重の女性においては、除脂肪体重が少ない人々は、インスリンが分泌されても、血糖を細胞内に取り込む筋肉量が不足しているため、耐糖能が低い傾向があります。このように、除脂肪体重の測定と管理は、単に体重を減らすだけでなく、健康維持においても重要な要素です。

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