露出計

露出計について

露出計（ろしゅつけい、Exposure Meter）は、写真や映画撮影に必要不可欠な道具で、光の強さを測定し、適正な露出値を決定するために利用されます。この測定行為を「測光」と呼びます。

露出計の歴史

露出計の起源は1892年に遡ります。当初、ハーターとドリフィールドが発明した計算尺式露出計が最初の製品でした。その後、様々な形式の露出計が登場しましたが、電気式の露出計の登場以降、ほとんどの露出計は電気式に移行しました。初めは新たな装置として登場した単体露出計が、カメラ内蔵型となり、自動的に絞りやシャッター速度と連携できるようになりました。現在では、一般向けカメラにはたいてい露出計が搭載されていますが、高度な機能を持つ単体の露出計も引き続き人気があります。

露出計の分類

露出計はその技術によって、以下のように分類されます。

1. 計算尺式露出計

このタイプは、日時や天候、被写体の種類など、複数の要因をもとに計算し適切なシャッター速度や絞り値を求めるものです。

2. 感光紙式露出計

感光性のある紙を使用し、光によって変色する時間を測定する方式で、ワトキンスのビーメーターが有名です。

3. 光学式露出計

透明板に印刷された数字を用いて光の露出を求める技術ですが、暗い環境では測定精度が下がる特徴があります。

4. 比較露出計

内部に基準光源を持ち、他の光源と比較して測光を行います。理論的な精度が期待されますが、実際には一貫性に欠けることもあります。

5. 電気露出計

光量に基づき、電気素子の出力を利用して測光を行います。1920年代後半に最初の電気露出計が登場し、現在でも多くの形式が残っています。

電気露出計の種類

• - セレン光電池式: セレンを用いた自発電型で、価格が安く、非常に耐久性が高いものの、計測精度が劣る。
• - CdS式: 硫化カドミウムを用い、暗い場所でも使えるが電池が必要である。
• - フォトダイオード式: 精度が高く、反応速度も速いが、電源が必要で、複雑な回路が求められる。
• - イメージセンサー式: デジタルカメラに応用され、コストを抑えることができる。

測定形式と用途

露出計の測定方法には、「入射光式」と「反射光式」があります。

• - 入射光式は被写体への光量を直接測定し、人物や静物の撮影によく適しています。
• - 反射光式は被写体からの反射光を測定し、一般的なカメラにはこのタイプが内蔵されています。

形状による分類

露出計は、単体のものからカメラに内蔵されるものまであります。

主な形状

• - 単体露出計: 独立した道具で、精度が高い。
• - 着脱式露出計: 特定のカメラに連動する方式。
• - カメラ内蔵露出計: 自動的な設定が可能で、現代のカメラにはほぼ必ず搭載されています。

昨今の発展

露出計は、長い歴史の中で進化を遂げてきましたが、今でも多くのフォトグラファーにとって重要なツールです。最新のデジタルカメラでは、スマートフォンなどに内蔵されるなど、測光がより簡便に行えるようになりました。特に、アプリとして開発されている単体露出計も多く存在し、誰でも手軽に正確な露光計算が可能になっています。デジタル化が進む中でも、アナログな技法と知識は写真撮影において依然として有用であり、露出計の重要性は変わらないのです。

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