青山町駅

青山町駅：伊賀地域の交通拠点としての歴史と現状

三重県伊賀市阿保にある近畿日本鉄道大阪線・青山町駅は、地域住民にとって重要な交通拠点です。駅番号はD53。その歴史は1930年（昭和5年）11月19日に参宮急行電鉄伊賀神戸～阿保駅間が開通したことに始まります。当初は阿保駅という駅名でしたが、1970年（昭和45年）3月に青山町駅と改称されました。

開業以来、幾度かの路線延伸や複線化を経て、現在の駅構造となりました。1991年（平成3年）の駅構内配線変更工事により、10両編成の運転が可能になりました。また、1998年（平成10年）には青山町車庫が完成し、駅の機能はさらに充実しました。2007年（平成19年）4月からはPiTaPaが利用可能になり、利便性も向上しています。

駅構造とダイヤ

青山町駅は、島式ホーム2面4線の地上駅で、待避可能な構造となっています。ホーム有効長は10両分あり、各ホームへは地下通路で連絡しています。2番線と4番線が主本線、1番線と3番線が待避線として使用されています。

ダイヤ面では、特急列車を除く全ての一般列車が停車します。伊勢中川方面からの快速急行は当駅から赤目口駅まで各駅停車となりますが、上り快速急行は当駅以西のみ停車します。大阪方面への折り返し拠点でもあり、多くの折り返し列車が設定されています。大阪方面への快速急行・急行、普通列車は1時間に1～2本程度運行されています。伊勢中川方面への折り返し列車は、朝夕を中心に運行されています。

また、早朝と夕方以降を中心に特急列車の待避を行う列車も設定されており、特急待避と当駅始発の急行の接続を行う列車もあります。一部の快速急行・急行は、当駅で後部車両を切り離し、車庫に入庫、名張駅への回送、または当駅折り返しの普通列車として運行されることもあります。早朝には五位堂行き始発列車も運行されています。

特急列車は停車しませんが、平日早朝には伊賀神戸駅発大阪上本町行きの特急の回送列車に乗車可能です（ただし、特急券は当駅では販売されておらず、事前に購入が必要です）。

駅設備と利用状況

青山町駅は名張駅管理の有人駅で、PiTaPa、ICOCAに対応した自動改札機と自動精算機が設置されています。しかし、バリアフリー設備は未だ整っておらず、エレベーターやエスカレーターは設置されていません。また、駅構内の案内表示は、一部の駅で普及している液晶ディスプレイではなく、従来の表示機が使用されています。

近年、乗降客数は減少傾向にあり、2005年の3,312人から2022年には1,200人台にまで減少しています。この減少は、高齢化や人口減少、自動車の普及などの影響が考えられます。

駅周辺

駅周辺には、青山町車庫、青山郵便局、青山ガーデンリゾート ホテルローザブランカ、桜丘中学校・高等学校、愛農学園農業高等学校、青山複合施設「アオーネ」、伊賀市上野図書館 青山図書室などの施設があります。また、駅前にはバス路線が発着し、周辺地域へのアクセスも容易です。

まとめ

青山町駅は、伊賀地域の交通を支える重要な駅です。長年の歴史を持ち、地域住民の生活に密着した存在ですが、近年は利用状況の減少という課題に直面しています。バリアフリー化など、今後の駅の発展のための課題も多く残されています。

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