青雲丸

青雲丸（せいうんまる）

青雲丸は、独立行政法人海技教育機構が保有する航海練習船であり、1997年に就航した2代目です。主に、東京海洋大学、神戸大学、海技大学校、商船高等専門学校などの学生・生徒の航海実習訓練を目的に建造されました。初代青雲丸の後任として、住友重機械工業横須賀造船所で製作され、1997年3月4日に進水、同年9月25日に竣工しました。

進水式には、当時の皇太子であった徳仁親王夫妻が出席し、その際に船名板に記載された「青雲丸」という名前は、当時の運輸大臣亀井善之の筆によるものです。

概要

青雲丸は、当初から実習訓練を目的に設計されており、特に大きな特徴として、船橋が2層構造になっている点があります。航海用の船橋の真下に実習用の船橋が設置されています。また、船体中央には第一教室（180名収容）と第二教室（88名収容及び図書館スペース）があり、機関室はセミアフトに配置されています。毎年、夏期には75日程度の世界一周航海を行い、航海の速力は19ノット以上と高速です。

事件

2017年7月には、青雲丸での訓練中に実習生が関与した一連の悲劇的な出来事が報道されました。海技大学校の2年生である男子学生3名が自殺、自殺未遂、失踪という形でトラブルに巻き込まれました。7月13日、一人の学生が停泊中の青雲丸から海に飛び込みましたが、岸にたどり着き、無事でした。彼は後に、「船に乗るのが嫌になった」と告白しました。

さらに、7月21日には、別の学生が実習を辞めて帰省し、7月28日に名古屋市で自ら命を絶ってしまいました。もう一人の学生は、7月30日に失踪し、鳴り響いた連絡を受けた後、行方不明となったのです。

このような出来事を受け、海技教育機構は、いじめやパワーハラスメントが原因ではないとしていますが、事件が続発したことを重視し、第三者委員会を設置して調査を実施しました。また、国土交通省も同様に対策本部を設立しました。

2017年10月4日、失踪していた生徒Cが無事に自宅に戻り、健康に問題はないことが発表されました。今後、第三者委員会が彼から聞き取り調査を行い、年内に調査報告をまとめる計画です。

まとめ

青雲丸は、航海技術を学ぶための重要な船である一方で、近年の事件を経て、教育機関としての役割が問われる事態となっています。今後の調査結果に注目が集まります。

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