静岡まつり

静岡まつり

静岡まつりは、静岡県静岡市で毎年4月上旬に開催される、市民参加型の都市祭りです。徳川家康が駿府で行った花見の故事にちなみ、昭和32年から始まりました。桜の咲く頃、駿府城公園や市街地を中心に、賑やかな3日間が繰り広げられます。

概要

静岡まつりの起源は、江戸時代の「廿日会祭（はつかえさい）」に遡ります。これは静岡浅間神社の例祭で、戦後、静岡市の観光事業として発展し、現在の静岡まつりとなりました。静岡浅間神社は、二千年の歴史を持ち、駿府国総社として崇められてきた由緒ある神社です。

家康は、駿府を江戸に匹敵する政治の中心地とするため、城下町の整備に尽力しました。街並みを碁盤の目のように区切り、浅間神社を再建するなど、町民の心のよりどころとなる場所を築きました。さらに、町民の心を奮い立たせる祭りとして「廿日会祭」を奨励し、駿府の賑わいを創出しました。

歴史

廿日会祭は、明治維新と太平洋戦争の時期に一時中断されましたが、昭和32年に「静岡まつり」として新たな形で復活しました。神事色を一掃し、人々の集まるイベントとして再出発し、平成6年からは「見る祭り」から「参加する祭り」へと転換。夜桜乱舞や駿府登城行列などが新たに導入され、多くの観客を集めるようになりました。

開催内容

静岡まつりは、「五つの物語」で構成されています。

前夜まつり: 大御所に仕える家臣団結成の儀式が行われ、数百のスカイランタンが夜空を彩ります。
駿府登城行列: 町民が時代衣装を身にまとい、献上品を持って駿府城へ向かう行列です。
大御所花見行列: 大御所役の有名人と御台所役の一般公募者が、花見を楽しむ様子を再現します。
夜桜乱舞・城下さくら踊り: 市民が踊りを披露し、花見の宴を盛り上げます。
* 大御所観覧手筒花火: 家康が駿府城で初めて花火を見たという故事にちなみ、手筒花火が披露されます。

各会場では、様々なイベントが開催され、多くの人々で賑わいます。駿府城会場では、駿府大演舞場でのパフォーマンスや屋台村、駿府城下町の再現などが行われます。青葉会場では、子ども向けのイベントや物産展などが開催されます。追手町会場では、夜桜乱舞が繰り広げられます。

大御所花見行列

花見行列は、大御所（家康）が御台所や大名を引き連れ、駿府城下を練り歩くメインイベントです。沿道では、一般参加者が時代衣装を身にまとい、様々なパフォーマンスを披露します。土曜日には駿府城の大演舞場で出発式が行われ、大御所・御台所などが行列の出発を宣言します。行列は、東御門から市役所前を通り、浅間神社を参拝するコースです。

夜桜乱舞

夜桜乱舞は、駿府城下の追手町を舞台に、多くの市民が参加して踊りを披露するイベントです。総踊りや城下さくら踊りなどが行われ、祭りを盛り上げます。例年、延べ1万人もの参加者が集まり、熱気に包まれます。

その他

静岡まつりは、東日本大震災や新型コロナウイルスの影響で中止されたこともありましたが、その代替イベントとして「静岡まつり秋の陣・Shizuoka Oneheart Days」が開催されるなど、様々な形で市民に楽しまれています。また、かつては「富士山コスプレ世界大会」とのコラボレーションも行われましたが、マナー違反の多発により、現在は行われていません。

静岡まつりは、市民ボランティアが中心となって運営されており、行政主導から市民主導のイベントへと移行しています。起源となった静岡浅間神社廿日会祭との連携も深まり、共同での催事も行われるようになっています。

静岡まつりは、静岡の歴史と文化を体感できる、魅力的な都市祭りです。ぜひ一度、訪れてみてください。

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