韓国の漫画

韓国の漫画の歴史と特徴

韓国の漫画、通称「マンファ」は、日韓関係や文化的交流において特異な役割を果たしてきました。特に日本の[[漫画]]の影響を受けながらも、独自のスタイルや市場を形成してきた経緯を見ていきます。

韓国漫画の起源と初期の発展

韓国における漫画の歴史は、1883年に発行された最初の新聞『漢城旬報』にさかのぼります。この新聞には挿絵が掲載されていたものの、本格的な漫画は存在しませんでした。その後、1909年に登場した『大韓民報』において、李道栄による風刺的な木版画が初めての「挿画」として登場。この作品は、当時の知識人が欧米文化を模倣する様子を戯画化したもので、后に韓国漫画の先駆けとして著名になります。1910年の韓国併合に伴い、李道栄の作品は一旦途絶えましたが、これが韓国漫画の歴史の始まりと言われています。

日本統治時代の漫画の進化

日本の統治下において、1924年には朝鮮日報に韓国人作家による初の四コマ漫画が掲載され、漫画のスタイルが進化します。その後、第二次世界大戦後、韓国に帰国した漫画家たちが新たな作品を発表し、これにより韓国漫画界が形成されていきました。特に金龍煥は1948年に韓国初の漫画雑誌を創刊し、期間は短かったものの、その影響力は大きなものでした。

朝鮮戦争とその後の時代

1950年の朝鮮戦争では、漫画がプロパガンダの道具として利用され、国の行方に大きな影響を与えます。この時期、草野仁の『兵士トッドリ』などの作品を通じて、士気を高めることが目的とされました。その後の1960年代には韓国で貸本屋が急増し、漫画の転換期を迎えました。「漫画世界史」などの作品が人気を博し、これが新たな漫画文化の形成につながります。

1970年代から1990年代の変遷

1970年代には日本漫画の影響が色濃く出る中で、韓国特有の漫画も生まれました。特に歴史漫画が盛況であり、当時の世相を反映した作品が多数発表されました。1980年代には厳しい検閲が施される一方で、漫画は多様化し、新しいジャンルが生まれます。しかし、1997年の「青少年保護法」施行後、漫画市場は縮小の一途を辿ることになります。

ウェブトゥーンの台頭

2000年代に突入すると、インターネットを介した「ウェブトゥーン」形式の漫画が登場し急速に拡大します。これは、従来の雑誌形式から、ページを縦にスクロールして読むスタイルとなり、多くの作者が自らの作品を発表できる場を提供しました。ウェブトゥーンは基本的に週1回の更新で、多彩なスタイルが取り入れられ、読者とのインタラクションも容易なことから、現代の韓国漫画文化の中心的な存在となっています。

漫画産業の振興と文化政策

韓国政府は2000年代以降、漫画産業の振興に力を入れています。漫画を通じた国際交流を促進するために様々な施策が講じられ、富川国際漫画祝祭などが開催されています。また教育や広報用の漫画も製作され、国際的な場でもその影響力を強めています。

主な作品と出版社

韓国の漫画市場には、大元C.I.や鶴山文化社などの主要な出版社が存在し、多様なジャンルの作品が発表されています。代表的な作品には『赤ちゃん恐竜 ドゥーリー』や『ドクター・フロスト』などがあり、これらは国内外での人気を誇ります。

結論

韓国の漫画は日本の影響を受けつつ、独自の進化を遂げてきた展望を持っています。歴史の中でのさまざまな変遷や現在の多様な表現方法は、韓国文化の中での重要な一部として確固たる地位を築いています。今後の展開にも注目が集まることでしょう。

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