顔ハメ看板

顔ハメ看板とは

顔ハメ看板は、観光地やレジャー施設などでよく見かける、記念写真撮影用の看板状のものです。顔出し看板や顔出しパネルとも呼ばれます。英語では「comic foreground」などと表現されます。

概要

顔ハメ看板は、キャラクターなどが描かれた板の顔部分がくり抜かれており、撮影者はその後ろに立って顔を出すことで、あたかもキャラクターになりきったかのような写真を撮影できます。子供でも利用しやすいように、踏み台が設置されていることが多いです。

顔ハメ看板の原型とも言える「コミック・フォアグラウンド」は、1874年に風刺画家のカシアス・マーセラス・クーリッジによって特許が取得されました。これは、人がこっけいな体の絵が描かれた板を掲げ、顔と絵を組み合わせて撮影するというものでした。クーリッジの特許取得と、その後の成功により、彼が顔ハメ看板の発明者と呼ばれるようになりました。

日本での事例

日本では、観光地やレジャー施設に記念写真用のアイテムとして設置されることが一般的ですが、イベント会場などにも設置されることがあります。描かれるキャラクターは、設置場所に関連するものが多いですが、必ずしもそうとは限りません。

日本で最初の顔ハメ看板は、小説『金色夜叉』の舞台である熱海に設置された「貫一・お宮」の看板であるという説がありますが、時期を含めて詳細は不明です。かつては地元の看板屋が手作りしていましたが、近年では印刷技術の進歩により、手描きのものは減少傾向にあります。

古い顔ハメ看板には「フジカラー」のロゴが入ったものが見られることから、富士写真フイルムが販促用に製作したという説がありましたが、同社はこれを否定しています。

1980年の「いい旅チャレンジ20,000km」開催期間中には、日本国有鉄道（現JR）各線の始発・終着駅に、駅員の姿絵と駅名が描かれた顔ハメ看板が設置されることもありました。

2023年には、メガハウスから顔ハメ看板を題材にしたアナログゲーム『顔、はめるゲーム』が発売されました。

日本以外の事例

顔ハメ看板は、台湾や韓国、ハワイなど、日本国外でも設置が確認されています。

まとめ

顔ハメ看板は、記念写真撮影をよりユニークで楽しいものにするためのアイテムです。観光地やイベントなどで見かけた際には、ぜひ顔を出して、思い出の一枚を撮影してみてはいかがでしょうか。

関連情報として、塩谷朋之氏の著書『顔ハメ看板ハマり道』もおすすめです。顔ハメ看板の世界をより深く知ることができます。

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