養由基

養由基（よう ゆうき）について

養由基は春秋時代に活躍した楚の武将で、弓術において傑出した才能を持ち、その名は後世に伝わっています。彼の姓は嬴で、氏は養、名前は由基とされており、生没年については詳細が残されていませんが、彼の業績は多くの記録に記載されています。

射撃の達人

養由基は楚の荘王および共王に仕官し、その射術の技量によって名を馳せました。彼は、非常に強力な弓を使い、甲冑を7枚も貫通させるほどの威力を持っていたと伝えられています。また、蜻蛉の羽根を的にし、その一矢で百発百中を成し遂げたと言われています。このように、彼の技術はまさに神業と呼ぶべきものでした。

白猿の故事

特に有名な逸話として、楚王がかつて自身飼育していた白猿を射る試みを行った際、白猿が矢を見事に捕まえ遊ぶ姿が語られています。その後、養由基がその場に招かれると、彼が弓を構えた瞬間、白猿は恐怖から泣き叫び、木にしがみついたという話があります。この逸話は、養由基の卓越した技術や威圧感を象徴しており、当時の人々に彼の名をより一層際立たせる要因となったでしょう。

戦場での勇姿

また、共王が戦に敗北した際には、養由基が殿を務め、その際に1本の矢で複数の敵兵を倒すという特異な戦術を発揮しました。この出来事は彼の武勇伝の一部であり、彼の技量が戦場での重要な役割を果たしていたことを示しています。このように、養由基は戦闘においても傑出した存在であり、敵を近寄らせないほどの腕前を持っていました。

後世への影響

現代においても、「百発百中」の言葉は養由基に起因すると言われており、彼の名前は広く知られています。また、中国の漫画家鄭問による『東周英雄伝』では、彼の勇姿が描かれ、さまざまな関連作品でも彼の伝説は語り継がれています。

伝記資料と関連項目

養由基に関する記録は、『史記』『左伝』や『漢書』のような古代の歴史書に見られ、彼の業績や逸話は後世の文献においても取り上げられてきました。特に、古の弓の名人としての彼の姿は、中島敦の『名人伝』にも登場し、歴史上の著名な武将と位置づけられています。また、養由基に関する伝説は、花栄や龐万春といった他の武将たちと共に語られることも多いです。

このように、養由基はその卓越した射術によって、古代中国における武将の中でも特に光り輝く存在として今に伝わっています。

もう一度検索