馬鹿の一つ覚え

緑黄色社会「馬鹿の一つ覚え」：映画主題歌の誕生から評価まで

2024年11月13日、緑黄色社会の配信限定シングル「馬鹿の一つ覚え」がリリースされました。この楽曲は、2024年11月22日に公開された映画『六人の嘘つきな大学生』の主題歌として書き下ろされたものです。作詞作曲は長屋晴子、編曲はベーシストの穴見真吾と編曲家のLASTorderが共同で行っています。

制作背景：タイトルから生まれた楽曲

主題歌制作のきっかけは、映画プロデューサーである稲垣優氏が、かねてより緑黄色社会のファンだったこと。緑黄色社会が「嘘」をテーマにした楽曲をどのように表現するのか、という興味からオファーがなされました。「馬鹿の一つ覚え」というタイトルは、長屋晴子が以前からメモに書き留めていた言葉。何年も前に目に留まり、そのインパクトからいつか楽曲に使いたいと考えていたそうです。映画の主題歌制作にあたって、「嘘」というテーマに合致すると判断し、このタイトルが採用されたのです。

長屋晴子は、この楽曲を「逆転」や「うそつき」といった過去の楽曲と同じ世界観に属するものの、それらとは異なるニュアンスを持つと説明しています。「逆転」や「うそつき」には未練や弱さが見られるのに対し、「馬鹿の一つ覚え」には、余裕が感じられるとのこと。若々しい強がりではなく、より成熟した自信が表現されている点が特徴です。

編曲においては、穴見真吾が映画のアミューズメント性、ハラハラドキドキする展開を楽曲に反映させることを意識。そのため、楽曲には独特のフレーズや音色が取り入れられています。ファンク調をベースに、後半にはレゲエやダブの要素も加えられ、聴き手に多様な音楽的体験を提供しています。

リリースとミュージックビデオ：テレビ初披露

「馬鹿の一つ覚え」は、配信限定シングルとしてリリースされた後、2日後の11月15日にはミュージックビデオが公開されました。「花になって」のミュージックビデオも手掛けたMESSが監督を務め、ライブレストランを舞台とした映像作品となっています。同日には、テレビ朝日系『ミュージックステーション』でテレビ初披露を果たしました。

高い評価：ベースラインとボーカルワーク

音楽ライターの石井恵梨子氏は、この楽曲について高い評価を与えています。特に穴見真吾が演奏するベースラインを「最もいい仕事をしている」と絶賛し、J-POPにおいてここまでベースラインが際立つ楽曲は珍しいと評しています。また、長屋晴子の歌詞とボーカルについても、善悪や被害者・加害者の視点で裁くのではなく、伸るか反るか、派手なショータイムの幕開けとして描かれている点が魅力だと指摘。めくるめく声色の変化も楽しいと述べています。

まとめ：映画と音楽の融合

「馬鹿の一つ覚え」は、映画『六人の嘘つきな大学生』の世界観と、緑黄色社会の音楽性が完璧に融合した楽曲と言えるでしょう。タイトルから生まれた、長屋晴子の独特な歌詞、穴見真吾の印象的なベースライン、そしてファンク、レゲエ、ダブといった多彩な音楽要素が織りなすサウンドは、聴くものを魅了します。配信限定という形態ながら、そのクオリティは高く評価されており、今後の緑黄色社会の活動においても重要な一曲となることは間違いありません。

もう一度検索