駿河屋

駿河屋の歴史とその魅力

概要

駿河屋（するがや）は、京都を基盤とする老舗の和菓子店であり、煉羊羹（ねりようかん）の発祥の店とされています。1481年、初代岡本善右衛門が「鶴屋」という屋号の下、京都市伏見区で創業しました。以来、数世代にわたり、伝統的な和菓子の製造を行います。

煉羊羹の元祖

5代目の岡本善右衛門が1589年に初めて煉羊羹を作り、豊臣秀吉に献上したことで、その名声が広まりました。この際、秀吉が開いた大茶会での引き出物として配られ、諸大名たちから賞賛を受けました。それまでは蒸し羊羹が主流でしたが、煉羊羹はその保存性の良さから、和菓子界に革命をもたらしました。

徳川家との関わり

駿河屋は紀州藩御用達としても知られ、徳川頼宣によって支持されました。彼が幼少期にこの菓子を愛したことから、藩の名がある以上、駿河屋が歴史的に重要な存在であることが伺えます。頼宣の転封に従い、和歌山にも店舗を展開しました。

屋号の由来

元々は「鶴屋」として知られていましたが、1685年に徳川綱吉の娘である「鶴姫」の名に因んで、屋号が「駿河屋」に変更されました。その背景には、紀州藩主の名や地域名の影響があったとされています。

分家と暖簾分け

駿河屋は、江戸時代から現在に至るまで様々な分家を展開しています。分家は各地方に根付き、多くの店舗を持つようになりました。特に伏見京橋・駿河屋、大阪・駿河屋などの店舗は、地域で知られる名店となっています。1876年にはパリ万国博覧会で金賞を受賞し、国際的な評価を受けるに至りました。

経営の変遷と業績

1944年に法人化された後、一時は1992年に年間売上が約60.25億円に達しました。しかし、バブル崩壊を迎えると、業績は低迷し、2003年には株式市場において問題を抱えることとなり、最終的に上場廃止に追い込まれました。

架空増資事件

2003年秋、資金調達に関して問題が発生しました。経営陣は資本金の増額を虚偽の申請により行い、これが発覚することで企業は危機に陥ります。これにより、会社の信頼は著しく低下しました。

事業の停止と再生への道

2014年には民事再生法を申請し、全直営店舗が閉鎖される決断を余儀なくされました。その後、新たな企業が設立され、かつての従業員を再雇用し、伝統的な商品を次世代に伝えるべく新たなスタートを切りました。

伝え続ける和菓子の技術

現在、駿河屋の再建を果たし、伝統的な練羊羹や本ノ字饅頭といった名品が再び市場に出回っています。和菓子職人たちが心を込めて作り上げる商品は、古き良き日本を偲ばせるものとなっています。これからも、駿河屋の歴史は続き、多くの人々の記憶に留まることでしょう。

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