高島一岐代

高島一岐代九段：日本一の攻めを誇った棋士

高島一岐代九段は、日本の将棋界においてその名を刻んだ名棋士の一人です。1916年5月18日、大阪府八尾市に生まれました。藤内金吾八段に師事し、1929年に入門、1936年に四段に昇段してプロ棋士としての道を歩み始めます。

彼の将棋の特徴はなんと言ってもその攻撃的なスタイルでした。「日本一の攻め」と称えられるほど、鋭い攻めを武器に数々の対局を制しました。その積極的な姿勢は、多くのファンを魅了し、将棋界に大きなインパクトを与えたと言えるでしょう。

高島九段の棋士としてのキャリアは華々しいものでした。1949年には八段に昇段し、1953年には全八段戦で優勝を飾ります。そして、1955年には名人戦七番勝負で大山康晴名人に挑戦。1958年には王将戦でも大山名人に挑むなど、当時を代表するトップ棋士として活躍しました。これらの挑戦は惜しくも敗退に終わりましたが、その実力と名声を不動のものとしたことは間違いありません。彼の全盛期はこの頃だったと言われています。

1962年、A級棋士として活躍する中で引退を決断します。その後も将棋界に貢献し続け、1979年には将棋の日表彰として贈九段の栄誉に浴しました。

私生活では、長男に元指導棋士五段の高島一由岐氏、甥に高島弘光八段を持つなど、将棋界との深い繋がりを持っていました。

1986年7月29日、膀胱癌のため60歳でこの世を去りました。しかし、彼の残した功績と「日本一の攻め」は、今もなお将棋ファンの記憶に深く刻まれています。彼の積極的な棋風は、多くの後進棋士に影響を与え、現代将棋にも脈々と受け継がれていると言えるでしょう。

昇段履歴

1929年：入門
1936年：四段
1941年：五段
1944年：六段
1947年5月10日：七段（順位戦B級昇級）
1949年4月1日：八段（順位戦A級昇級）
1962年3月31日：引退
1979年：贈九段（将棋の日表彰）

主な成績

タイトル挑戦：名人戦（1955年度）、王将戦（1958年度）
一般棋戦優勝：全八段戦（1953年）など2回優勝

高島一岐代九段は、その卓越した攻撃力と、棋士としての高い志で将棋界に大きな足跡を残しました。彼の名前は、日本の将棋史に永遠に刻み込まれるでしょう。彼の活躍は、後世の棋士たちにとって、大きな刺激と目標となるに違いありません。

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