高島弘光

高島弘光：激しい攻めと寄せで名を刻んだ将棋棋士

高島弘光（たかしま ひろみつ）は、1941年9月15日生まれ、1996年12月27日没の将棋棋士である。大阪府八尾市出身。棋士番号は83。

1953年、叔父である高島一岐代九段に入門。1958年度後期から旧制度の三段リーグに参加し、1961年度後期関東リーグでは12戦全勝という新記録を達成。この活躍が認められ、北村文男との東西決戦を制し、1962年4月1日付でプロ棋士（四段）となった。

同期の棋士には大内延介、西村一義、山口英夫らがおり、彼らと共に「花の昭和16年組」と呼ばれ、若手時代から活躍した。プロ入り後もその勢いは衰えず、順位戦C級2組では1期でC級1組に昇級。その後も、王将戦リーグへの進出や、棋聖戦本戦トーナメントでの活躍など、タイトル戦線で存在感を示し続けた。

特に1968年度前期の棋聖戦本戦トーナメントでは、有吉道夫、大山康晴といった強豪を破り、挑戦者決定戦に進出する活躍を見せる。しかし、中原誠に惜敗。この対局では、勝勢にあったものの歩打ちの失着により逆転負けを喫した。この時のエピソードとして、感想戦で「歩を捨てればよかった」という意見に対し、高島は「打ったばかりの歩を捨てるなんて、そんな手は死んでも指せん」と発言したと伝えられている。

順位戦でも活躍し、1969年に六段、1971年に七段へと昇段。1974年度後期には早指し将棋選手権で準優勝、1981年度にも同選手権で決勝進出を果たすなど、タイトル戦だけでなく、その他の棋戦でも好成績を収めた。1975年に創設された棋王戦では決勝リーグに進出するも、全敗に終わった。この際、ハワイで行われる予定だった内藤國雄との対局を飛行機嫌いという理由で辞退したエピソードは有名である。

1984年には勝数規定により八段に昇段。その後も棋界で活躍を続けたが、1988年の竜王戦では、若手棋士との対戦が増え、苦戦するようになる。1994年度には53歳にして順位戦で勝ち越しを達成するなど、晩年も精力的に活動した。しかし、1996年12月17日、第55期C級2組順位戦の対局を最後に、10日後の12月27日、食道癌のため55歳で死去した。

高島弘光の棋風は、矢倉、右玉、相掛かりなどの居飛車を得意としたが、振り飛車も指した。激しい戦い方が特徴で、その攻めと寄せが冴え渡るときは、どんな強豪棋士も敵わなかった。師匠であり叔父の高島一岐代九段、従弟に元指導棋士の高島一由岐五段がいる。

高島弘光は、その卓越した棋力と、激しい攻めを身上とした棋風で、将棋界に大きな足跡を残した棋士として記憶されている。彼の活躍は、多くの将棋ファンに感動と興奮を与え続け、今も語り継がれている。

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