高橋繁浩

高橋繁浩について

高橋繁浩（たかはし しげひろ）は1961年6月15日生まれで、滋賀県草津市出身の元オリンピック競泳選手です。彼は特に平泳ぎにおいて「水没泳法」という技術革新を成し遂げ、そのパイオニアとしての地位を確立しました。学歴は中京大学を卒業し、さらに大学院でも体育学を学んだ後、現在は中京大学スポーツ科学部の競技スポーツ科学科の教授として教育と研究に従事しています。また、日本放送協会（NHK）やテレビ朝日などで水泳中継の解説者としても活躍しています。

略歴

高橋は草津市北大萱町で生まれました。中学2年生の時に全国大会に初出場し、翌年の全国中学校水泳競技大会で200m平泳ぎに優勝しました。1964年の東京オリンピックと1968年のメキシコオリンピックでは平泳ぎの日本代表選手として出場。これにより彼の名は水泳界に知られるようになり、当時の有名なコーチである鶴峯治に見出されました。尾道高等学校に進学したものの、部活動の運営をめぐる対立が原因で中京高等学校へ転校し、そこで鶴峯と共に水没泳法の技術を確立しました。

彼の競泳キャリアの中で自己最高記録は、長水路の100m平泳ぎが1分3秒80、200m平泳ぎが2分17秒69です。1978年にはサンタクララ国際水泳競技大会に出場し、100mと200m平泳ぎでその年の世界最高タイムを記録し、世界ランキング1位に昇りつめました。同年のアジア大会でも100m・200m平泳ぎで優勝し、名声を確立しました。

1980年のモスクワオリンピックでは選考会で泳法違反となり、残念ながら出場を逃しました。1984年のロサンゼルスオリンピックには出場し、その後競技生活を引退しましたが、1987年に国際水泳連盟のルール改正を受けて復帰を果たし、1988年のソウルオリンピックでは27歳にして200m平泳ぎで自身の日本記録を10年ぶりに更新しました。この時の日本記録の更新は「金メダルに匹敵する」と評価されました。

現在の活動

引退後は1989年に中京大学の専任講師として着任し、後進の指導に尽力しています。コーチとしては特に平泳ぎの選手を指導し、成果を上げています。近年では、国際水泳連盟の競泳水着審議認可委員会の委員に指名され、選手強化のための活動にも携わっています。2015年には日本水泳連盟の理事に就任し、選手の育成に貢献しています。また、草津市のPRグループ「KUSATSU BOOSTERS」のメンバーとして、地域のイメージアップ活動にも参加しています。例えば、草津市立プールの開設を祝う際のコメントを行うなど、地域密着型の活動を続けています。

解説スタイルとエピソード

高橋の解説スタイルは、一貫して明快でありながら、試合が盛り上がるとその興奮が伝わってきます。1992年のバルセロナオリンピックで岩崎恭子が金メダルを獲得した際には、「ここからいけ！ ここからいけ！」と叫び、観客の注目を集めました。また、2008年の北京オリンピックでは北島康介のレースについて、「うまい！ うまい！ うまいレース運びでしたよ！ 康介おめでとう！」と熱烈に解説し、彼の解説は多くの視聴者に感動を与えました。競泳の魅力を多くの人々に伝えるために、今後もその活動は続けられるでしょう。

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