鳥屋野運動公園野球場
新潟市中央区にある鳥屋野運動公園野球場は、新潟市が所有し、新潟市開発公社が運営管理を担う野球場です。公園内に位置し、かつては「新潟市営鳥屋野野球場」と呼ばれていましたが、現在も球場正面のプレートにはこの旧称が残されています。
この球場は、1964年に開催された第19回新潟国体に合わせて、前年の1963年8月に完成しました。しかし、国体閉幕後に発生した新潟地震によって一部が損壊し、復旧のため1965年夏まで閉鎖されることになりました。その後は、主に高校野球や社会人野球など、アマチュア野球の公式戦の開催地として利用されてきました。
プロ野球の公式戦としては、1966年5月3日にサンケイアトムズ（現在の東京ヤクルトスワローズ）対広島カープの試合で初めて使用されました。1989年には、両翼の距離を90mから97mに拡張する改修が行われましたが、施設の老朽化や陳腐化が進んだこともあり、プロ野球の一軍公式戦は1996年6月9日の近鉄バファローズ対西武ライオンズ戦を最後に開催されていません。
二軍戦については、イースタン・リーグの公式戦が開催されたほか、過去にはイースタン・リーグやウエスタン・リーグのトーナメント大会も行われました。しかし、1998年4月25日のイースタン公式戦、読売ジャイアンツ対日本ハムファイターズ戦以降は、1999年から2007年までの9年間、二軍戦の開催実績がありませんでした。2008年6月28日には、実に10年ぶりとなるイースタン公式戦（読売ジャイアンツ対北海道日本ハムファイターズ）が開催されましたが、観客の安全などを考慮し、外野スタンドは利用されませんでした。
2007年に始まったベースボール・チャレンジ・リーグ（BCリーグ）では、新潟県を活動拠点とする新潟アルビレックス・ベースボール・クラブが所属しましたが、当初は鳥屋野球場をメインのホーム球場とはせず、三条市民球場（現在の三条パール金属スタジアム）を中心に試合を行いました。これは、リーグ発足当初のチームに特定の本拠地を設けない方針や、当時の新潟市内に設備が整った野球場が少なかったこと、さらにはチームの拠点が長岡市に移転したこと、地理的な利便性などを考慮したためです。このため、鳥屋野でのホームゲームは年間数試合にとどまりました。2009年夏に新潟県立野球場（HARD OFF ECOスタジアム新潟）が完成すると、BCリーグの新潟市内での開催は県立野球場に集約され、鳥屋野球場でのBCリーグ公式戦開催はなくなりました。
施設の改修としては、2009年春に、同年開催された「トキめき新潟国体」での使用を見越してスコアボードが更新され、簡素な表示のLED式となりました。メインスタンドの一部と外野スタンドは盛り土構造となっていますが、老朽化による安全上の懸念から、これらのエリアへの立ち入りは現在制限されています。
築60年を迎え老朽化が進んでいた鳥屋野運動公園野球場について、新潟市は2024年度以降に現地での建て替えか、または別の場所への移転新築を含めて検討する方針を示していました。しかし、2024年元日に発生した能登半島地震の影響で、液状化などにより施設が損傷し、使用不能な状態となりました。これを受け、同年2月には新潟市スポーツ施設の未来構想会議が、鳥屋野潟南部地区（新潟県スポーツ公園内）への移転新築を提言する案をまとめ、3月下旬には正式な提言として新潟市長に提出される見込みです。
鳥屋野潟の対岸に位置する新潟県スポーツ公園内には、2009年6月30日に新潟県立野球場（HARD OFF ECOスタジアム新潟）が完成しました。これにより、プロ野球（NPB）やBCリーグの公式戦、高校野球などの主要なアマチュア公式戦の多くがこの新球場で行われるようになりました。また、新潟市内でも新たな野球場の整備が進められ、2011年7月には西区のみどりと森の運動公園内にアマチュア規格の野球場が、2013年4月には南区に新潟市白根野球場がそれぞれ完成し、利用が始まっています。新潟市の旧市域内には、鳥屋野のほかに1970年完成の新潟市小針野球場もありましたが、両球場ともに老朽化が進んでいました。市は当初、補修を続けながら使用する方針を示していましたが、小針野球場は2021年に老朽化のため閉鎖されています。
鳥屋野運動公園野球場のメインスタンド入口はスロープ状になっており、観客が地平から直接2階席へ移動できる設計が特徴です。この構造は、かつて東京スタジアムが採用していた方式を模倣した可能性が指摘されていますが、真偽は定かではありません。
両翼：97m（実際の測定値は97.6mですが、表記は97mです）
中堅：120m
内野：クレー舗装
外野：天然芝
スコアボード：LED方式（イニングスコアと現在の打者情報のみを表示。2008年末まではパネル式でした）
照明設備：なし
収容人数：14,000人
内野：9,680人（背もたれのないセパレート席が主で、ポール際付近はコンクリート製ベンチ席）
外野：4,320人（芝生席）
注：メインスタンドの一・三塁側ポール際付近および外野スタンドは、安全上の理由から立ち入りが制限されています。このため、現在実際に利用可能な収容人数は8,000～9,000人程度となっています。
バス：新潟交通 S5 女池線「野球場・科学館前」バス停から徒歩約3分です。新潟駅南口からは「S51」「S52」系統、市役所前からは「S50」系統が利用できますが、平日と土曜・休日で運行間隔が異なります。高校野球開催時の臨時バス運行は原則ありません。
車：国道8号（新潟バイパス）女池ICまたは桜木ICからいずれも車で約5分です。
鳥屋野運動公園球技場
鳥屋野運動公園馬場
なお、鳥屋野運動公園総合体育館は、鳥屋野運動公園内ではなく、中央区神道寺に所在します。
歴史
この球場は、1964年に開催された第19回新潟国体に合わせて、前年の1963年8月に完成しました。しかし、国体閉幕後に発生した新潟地震によって一部が損壊し、復旧のため1965年夏まで閉鎖されることになりました。その後は、主に高校野球や社会人野球など、アマチュア野球の公式戦の開催地として利用されてきました。
プロ野球の公式戦としては、1966年5月3日にサンケイアトムズ（現在の東京ヤクルトスワローズ）対広島カープの試合で初めて使用されました。1989年には、両翼の距離を90mから97mに拡張する改修が行われましたが、施設の老朽化や陳腐化が進んだこともあり、プロ野球の一軍公式戦は1996年6月9日の近鉄バファローズ対西武ライオンズ戦を最後に開催されていません。
二軍戦については、イースタン・リーグの公式戦が開催されたほか、過去にはイースタン・リーグやウエスタン・リーグのトーナメント大会も行われました。しかし、1998年4月25日のイースタン公式戦、読売ジャイアンツ対日本ハムファイターズ戦以降は、1999年から2007年までの9年間、二軍戦の開催実績がありませんでした。2008年6月28日には、実に10年ぶりとなるイースタン公式戦（読売ジャイアンツ対北海道日本ハムファイターズ）が開催されましたが、観客の安全などを考慮し、外野スタンドは利用されませんでした。
2007年に始まったベースボール・チャレンジ・リーグ（BCリーグ）では、新潟県を活動拠点とする新潟アルビレックス・ベースボール・クラブが所属しましたが、当初は鳥屋野球場をメインのホーム球場とはせず、三条市民球場（現在の三条パール金属スタジアム）を中心に試合を行いました。これは、リーグ発足当初のチームに特定の本拠地を設けない方針や、当時の新潟市内に設備が整った野球場が少なかったこと、さらにはチームの拠点が長岡市に移転したこと、地理的な利便性などを考慮したためです。このため、鳥屋野でのホームゲームは年間数試合にとどまりました。2009年夏に新潟県立野球場（HARD OFF ECOスタジアム新潟）が完成すると、BCリーグの新潟市内での開催は県立野球場に集約され、鳥屋野球場でのBCリーグ公式戦開催はなくなりました。
施設の改修としては、2009年春に、同年開催された「トキめき新潟国体」での使用を見越してスコアボードが更新され、簡素な表示のLED式となりました。メインスタンドの一部と外野スタンドは盛り土構造となっていますが、老朽化による安全上の懸念から、これらのエリアへの立ち入りは現在制限されています。
築60年を迎え老朽化が進んでいた鳥屋野運動公園野球場について、新潟市は2024年度以降に現地での建て替えか、または別の場所への移転新築を含めて検討する方針を示していました。しかし、2024年元日に発生した能登半島地震の影響で、液状化などにより施設が損傷し、使用不能な状態となりました。これを受け、同年2月には新潟市スポーツ施設の未来構想会議が、鳥屋野潟南部地区（新潟県スポーツ公園内）への移転新築を提言する案をまとめ、3月下旬には正式な提言として新潟市長に提出される見込みです。
新潟県内の硬式野球場事情
鳥屋野潟の対岸に位置する新潟県スポーツ公園内には、2009年6月30日に新潟県立野球場（HARD OFF ECOスタジアム新潟）が完成しました。これにより、プロ野球（NPB）やBCリーグの公式戦、高校野球などの主要なアマチュア公式戦の多くがこの新球場で行われるようになりました。また、新潟市内でも新たな野球場の整備が進められ、2011年7月には西区のみどりと森の運動公園内にアマチュア規格の野球場が、2013年4月には南区に新潟市白根野球場がそれぞれ完成し、利用が始まっています。新潟市の旧市域内には、鳥屋野のほかに1970年完成の新潟市小針野球場もありましたが、両球場ともに老朽化が進んでいました。市は当初、補修を続けながら使用する方針を示していましたが、小針野球場は2021年に老朽化のため閉鎖されています。
施設概要
鳥屋野運動公園野球場のメインスタンド入口はスロープ状になっており、観客が地平から直接2階席へ移動できる設計が特徴です。この構造は、かつて東京スタジアムが採用していた方式を模倣した可能性が指摘されていますが、真偽は定かではありません。
両翼：97m（実際の測定値は97.6mですが、表記は97mです）
中堅：120m
内野：クレー舗装
外野：天然芝
スコアボード：LED方式（イニングスコアと現在の打者情報のみを表示。2008年末まではパネル式でした）
照明設備：なし
収容人数：14,000人
内野：9,680人（背もたれのないセパレート席が主で、ポール際付近はコンクリート製ベンチ席）
外野：4,320人（芝生席）
注：メインスタンドの一・三塁側ポール際付近および外野スタンドは、安全上の理由から立ち入りが制限されています。このため、現在実際に利用可能な収容人数は8,000～9,000人程度となっています。
交通アクセス
バス：新潟交通 S5 女池線「野球場・科学館前」バス停から徒歩約3分です。新潟駅南口からは「S51」「S52」系統、市役所前からは「S50」系統が利用できますが、平日と土曜・休日で運行間隔が異なります。高校野球開催時の臨時バス運行は原則ありません。
車：国道8号（新潟バイパス）女池ICまたは桜木ICからいずれも車で約5分です。
公園内のその他の施設
鳥屋野運動公園球技場
鳥屋野運動公園馬場
なお、鳥屋野運動公園総合体育館は、鳥屋野運動公園内ではなく、中央区神道寺に所在します。
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。