鳴門金時

鳴門金時（なるときんとき）

鳴門金時は、徳島県の特産品として知られるさつまいもで、鳴門海峡や吉野川流域などの砂地で栽培されています。この種のさつまいもは、主に四国・徳島県の鳴門市にて生産されており、その甘さと風味から多くの人々に愛されています。特に関西圏では鳴門金時の消費量が多く、干し芋や焼き芋焼酎の原料としても重宝されています。

品種と栽培

鳴門金時は、主に「金時」という品種が使用されており、これは高系14号を選抜育成したものです。昭和50年代には既に徳島県に導入されており、そこから「土佐紅」や「坂出金時」といった地元品種から選抜育成された結果、現在の姿があると言われています。

商標と特産品の認識

「なると金時」という名称は、全国農業協同組合連合会が商標登録を行っており、平成19年4月には地域団体商標としての認可も受けました。これは、徳島県内の限られた地域で栽培されたものだけが名乗ることが許される特別な表示です。このため、「鳴門金時」と漢字で表示することは商標法に違反してしまうため、注意が必要です。また、主な栽培地域として鳴門市の大津町や里浦町、そして徳島市の川内町や松茂町、北島町といったエリアが指定されています。

JA里浦が販売する鳴門金時は「里むすめ」というブランド名をつけられており、松茂町からは「松茂美人」という名称で流通しています。

鳴門金時の国境を越えた広がり

鳴門金時には興味深いエピソードもあります。TBSの「世界ウルルン滞在記」という企画において、日本の農家からパプアニューギニアの先住民にこのさつまいもが紹介されました。その後、現地でも鳴門金時の栽培が定着し、今では地元の人々によって「キントキ」と呼ばれる人気の野菜として親しまれる存在となっています。

鳴門金時は、単なる農産物にとどまらず、地域の文化や情熱を宿した食品でもあります。徳島県民にとっては、誇り高いブランドであり、地域振興の大切な柱にもなっています。これからもその魅力が多くの人々に伝わり、より広く知られることが期待されます。

もう一度検索