麻雀漫画

麻雀漫画の概要

麻雀漫画とは、主に麻雀をテーマにした漫画やその要素を物語に取り入れた作品のことを指します。このジャンルは1960年代半ばに日本にて盛り上がりを見せ、特に学生やサラリーマンなどに広がりを見せました。麻雀を扱った初の漫画は、1969年に秋田書店の青年漫画雑誌『プレイコミック』に発表されたつのだじろうの短編『發の罠』とされています。

この後、1971年には北野英明作画、阿佐田哲也原作の『牌の魔術師』が連載を開始し、麻雀漫画としての地位を確立しました。北野はこのジャンルを開拓し、彼の作品『雀ごろブルース』や『麻雀列伝 天和無宿』などでそのスタイルを確立しました。こうして麻雀漫画は徐々に人気を集めていきました。

発展とブーム

1975年には、日本初の麻雀漫画専門雑誌『漫画ギャンブルパンチ』が竹書房より創刊されました。この雑誌は、麻雀ブームの中で、他の活字媒体が苦戦する中で成功を収めました。この流れに乗り、数多くの出版社が麻雀漫画の制作に参入し、ジリジリと市場が広がっていきました。しかし、急速な成長の裏には質の低下も見られ、成人向け漫画に寄せた作品が増えるなどして内容が薄くなる傾向がありました。

麻雀を生業とするキャラクターが賭け麻雀を行う荒唐無稽なストーリーが多く生まれ、読者の共感を呼ぶ一方で、作品の質が二の次にされることも多くなりました。これに対し、1981年に片山まさゆきが手掛けた『スーパーヅガン』が現れると、従来の麻雀劇画とは異なるアプローチで新たな読者をつかむことに成功しました。

専門誌と漫画アダプションの時代

1980年代から90年代にかけて、多くの麻雀専門誌が創刊され、また休刊する動きが見られました。この時期には、推理漫画の要素を取り入れた作品や、新しいスタイルの麻雀漫画が登場し、さらなる多様性が生まれました。特に近代麻雀オリジナルに法要された連作『九蓮宝燈殺人事件』や『国士無双殺人事件』等は、麻雀のゲーム性を利用したミステリーとして注目されました。

2013年の近代麻雀オリジナルの休刊以来、麻雀漫画を特に専門に扱う雑誌は竹書房の『近代麻雀』のみとなりましたが、それでも新たな作品が次々と生まれ、コンテンツとしての地位を築いています。

メディア展開

麻雀漫画は、漫画出版の枠を越え、アニメや実写作品にも拡大してきました。1980年代には『フリテンくん』が劇場アニメ化され、90年代には『哭きの竜』がOVA化されるなど、様々なメディアでの展開が進みました。以降も『スーパーヅガン』や『咲-Saki-』などがテレビアニメ化され、さらには実写映画化されるなど、麻雀漫画は多岐にわたる成功を収めてきました。

このように、麻雀漫画はその発展を遂げつつ、今もなお新たな作品を生み出し、読者を魅了し続けています。2024年にはV林田の『麻雀漫画50年史』も刊行され、今後の展開にも期待が寄せられます。

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