つのだじろう

つのだじろうの生涯と業績

つのだじろう（本名：角田次朗）は、1936年7月3日、東京府下谷区で生まれた日本の漫画家及び心霊研究家である。彼は八人兄弟の次男であり、音楽家の兄弟もおり、その影響を受けた多彩な才能をもっていた。1955年に漫画家としてデビューし、以降は多くの作品を世に送り出し、その後も心霊研究に身を投じて活動してきた。

来歴

つのだは、戦時中の疎開を経て中学2年生になった時に家族で東京に戻り、後に新宿区立淀橋中学校を卒業した。彼は高校時代、自宅近くの草野球を観戦している際に、漫画家の島田啓三に出会い、自作の漫画原稿を見せることで師事を始めた。その結果、1955年に『漫画少年』に初投稿した短編「新・桃太郎」により漫画家デビューを果たす。その後、少女漫画である『ルミちゃん教室』がヒットしたことから、彼はしばらく少女漫画を中心に活動する。

1961年には『なかよし』に連載した「ばら色の海」で講談社児童まんが賞を受賞。この成功を契機に、少年漫画にシフトし、ギャグ漫画の佳作を多数発表する。1971年には、梶原一騎原作の『空手バカ一代』が大ヒットを記録し、彼の劇画スタイル確立へと繋がった。

つのだの作品は多岐にわたり、『うしろの百太郎』や『恐怖新聞』などの怪奇漫画によってオカルトジャンルでの第一人者となり、また『5五の龍』や『女たちの詩』シリーズ等は、テレビドラマ化もされるなど、その人気は広がった。

人物像

彼は秦の始皇帝の子孫を自認しており、血縁関係にある人物として秦徳次郎という名前の祖父を持つ。父は秦雄喜という名であり、名門の血統を持つ家庭に生まれた。しかし、洗礼を受けたのちに、養子縁組により角田姓を名乗ることになり、そのことが彼の人生に影響を与えた。

1979年から彼は「秦企画」という新たな会社を設立し、心霊現象に対する研究や分析を進めるようになった。霊的存在についての思索をもとに漫画を執筆し、さらに自身の経験に基づくエンターテイメント性重視の作品を展開した。また「先祖を大切にすること」といったテーマを訴え続け、作品や講演活動を通してその思想を広めた。

多趣味な側面

彼の趣味は多岐に渡り、将棋においてはアマ四段、スキーは1級、書道は三段と、さまざまな分野での造詣が深い。特に将棋は彼の作品にも色濃く表れ、多くの将棋ファンにも親しまれている。また、空手には二年間も通い、大山倍達から指導を受けていたという。

つのだじろうは、その作品を通じてジャンルに縛られない多彩な表現を行い続け、作品の一つ一つに独自の視点を反映させることで多くのファンから愛されてきた。その一方で、真面目な性格から遊び心を持つまでの彼の変化や成長の過程も、彼の作品と同様に注目されている。彼の生涯は、漫画界へと新たな風を吹き込み、心霊研究の重要性とエンターテインメント性を融合させた先駆者として記憶されるだろう。

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